コラム 2020.02.28
【コラム】意思決定には二層ある

【コラム】意思決定には二層ある

[ 向 風見也 ]

 それに2021年発足予定の新リーグの準備室副室長となっている瓜生靖治氏が以前「危機感をあおることで社会が混乱すること(側面)もある。こういう状況にもかかわらず見に来てくださっている方の楽しみを奪わないこともリーグの責任」と話していたように、トップリーグ側が試合を観たいファンのニーズに応えようと模索していた経緯に触れていた。

 加えて、日本協会が後日発表となる延期した試合の会場も迅速に見つけていた点には、ある強豪クラブのスタッフも感謝していたのを知る。

 だから今回の決定事項そのものには何も言う気はないのだが、それでも、どういうわけか、心にもやもやが残る。それはきっと、これまでラグビーを取材してきて宝石のような知見や言葉に出会い過ぎてしまったからだと思う。そう思うことにする。

 2006年からの取材、執筆活動を通し、よい意思決定は「A,置かれた状況を正確に把握する」「B.Aを踏まえ、自分(自分たち)にしかできない自分(自分たち)のすべきこと信念に基づいて決める」の二層構造で作られているのではと仮説を立てている。

 昨秋のワールドカップ日本大会で8強入りした日本代表では、開幕前に「自国開催のメリット」について聞かれた堀江翔太がこんな発言を残している。

PICK UP