【6か国対抗】アイルランド撃破。イングランド、優勝への望み繋ぐ
2連勝中のアイルランドをトゥイッケナム(観衆:8万1476)に迎えての一戦は、イングランドが24−12で勝利を挙げた。2020年シックスネーションズでの優勝へ望みを繋いだ。
初戦のフランス戦に敗れ、次節のスコットランド戦も僅差の勝利に終わったイングランド。この日は、本来CTBのジョナサン・ジョセフをWTBに、LOを主戦場とするコートニー・ローズをFLで起用した。さらにリザーブに2人のLOを配置。5人のLOを含んだ23選手の構成は大きな話題を呼んだ。
そのイングランドは、立ち上がりからアイルランドに強烈なプレッシャーをかけた。
8分、アイルランド陣22メートル内でのラックサイドからSHベン・ヤングスがグラバーキックを転がす。これを相手SO、ジョニー・セクストンがインゴールでファンブル。チェイスしていたSOジョージ・フォードが押さえ、先制のトライを奪った。
24分には、今度はフォードがアイルランドのディフェンス裏にショートパントを上げた。バウンドを上手く読んだFBエリオット・デイリーがインゴールで押さえ、リードを広げた。
キックの正確性が勝敗を決めると、僅差の戦いが予想されたこの試合。キックの質だけでなく、バックスリーのポジショニングや、キック処理の出来にも差が出た。
前半は17-0。イングランドが大きくリードして折り返す。
後半に入り、アイルランドも必死の反撃を見せた。イングランドゴール前で得たPK時にスクラムを選択。確実にフェーズを重ね、49分にはCTBロビー・ヘンショウが至近距離からねじ込んで1トライを返した。しかしセクストンのゴールキックは失敗。
セクストンは、これがこの日3回目のゴール失敗となり、「自分のミスからトライも取られてしまったし、今日の出来にはがっかりしている」と話した。
イングランドは、キックによる陣地のコントロールとゲインライン上での肉弾戦を制し、試合を支配し続けた。61分にはゴール前のラインアウトからドライビングモールを組み、HOルーク・カウワンディッキーがトライ。CTBオーウェン・ファレルのゴールキックも決まり、24-5と再び突き放した。
アイルランドは終了前にラインアウトからフェーズを重ね、PRアンドリュー・ポーターがトライ。セクストンに代わってキッカーを務めた途中出場のSHジョン・コーニーのキックで反撃するも、時すでに遅し。24-12でイングランドが前節に続き勝利を挙げ、優勝への望みを繋いだ。
この試合に向けてのプレッシャーについて聞かれたイングランドのファレル主将は、「チームの外で、チームの外の人間が何を言っていようとも、我々は特に何の影響も受けない。プレッシャーというものは、自分たちの中から生まれてくるもの」と冷静に話した。
エディー・ジョーンズ監督は、「今日はいい結果となりましたが、後半の内容には改善の余地があります。次の試合ではもっと良いパフォーマンスを見せるよう準備します。今度は、ロックを6人入れた構成で皆さんを喜ばせるかも知れませんよ」と余裕の笑顔を見せた。
アイルランドのアンディ・ファレル監督は、「今日のイングランドの出来は素晴らしかった。我々がやろうとしていたことを先にやられ、最後までやりたいことができなかった」と悔しさをにじませた。
この結果今季のシックスネーションズは、前日にウエールズを破り、3連勝としたフランスが首位。それを2勝1敗でイングランド、アイルランドの2チームが追う展開になった。
イングランドは今後、ウエールズ、イタリアと戦う。アイルランドはスコットランド、そして最終戦で現在3連勝中のフランスと対戦する。