国内 2020.02.05

ラグビーボールがある幸せ。「THANKS 2019 PROJECT」開催。

[ 多羅正崇 ]
ラグビーボールがある幸せ。「THANKS 2019 PROJECT」開催。
ラグビーボールを子どもたちにプレゼントするリコーとNTTコムの選手たち(撮影:多羅正崇)


 快晴の三ツ沢は、ラグビーボールを抱えた子どもたちで溢れていた。

 2月2日に神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でおこなわれたトップリーグ2020の第4節、リコー×NTTコミュニケーションズ。

 好天のもとで繰り広げられた熱闘は、NTTコミュニケーションズが33-17でリコーを破った。

 熱闘を観戦した7027人のなかには、2号球(8歳以下の公式球サイズ)のラグビーボールを抱えた子どもたちが数多くいた。

 この日はバックスタンド東側入場口で、「THANKS 2019 PROJECT―初めてのラグビーボール―」と題したイベントがおこなわれ、試合観戦する小学生以下の子どもたち先着2019名に、特注のラグビーボールがプレゼントされた。

 仮設テントではリコーとNTTコミュニケーションズの選手たちが並び、入場してくる子どもたちへ笑顔でボールを渡した。

 神奈川県ラグビー協会の関係者は「選手が義務感ではなく、楽しみながら子どもに接してくれる。それが素晴らしいです」と感謝。3歳の息子を連れていた30代女性も「ボールが本物なので嬉しい。息子は初めてラグビーボールを触りました」と笑顔だった。

 2019個ものラグビーボールを用意し、子どもたちにプレゼントする――。夢のような一日を企画したのは、株式会社ビジネス・ブレークスルー。

 トップリーグのパートナー企業である株式会社ビジネス・ブレークスルーが、ワールドカップ2019の盛り上がりからラグビーを文化にしたいと企図。リコーとNTTコミュニケーションズに加え、株式会社日本経済新聞社、株式会社東洋館出版社、NPO法人 Dooooooooも協賛した。

 横浜市と共に協力した神奈川県ラグビー協会の永田雅人委員長が経緯を教えてくれた。

「トップリーグのアドバイザーであるビジネス・ブレイクスルーさんが、ラグビーの普及のためにリコーさん、NTTコミュニケーションズさんに働きかけ、神奈川県ラグビー協会にも協力してほしいとおいでになりました。私どもとしても全面協力でした」

 永田委員長は田園ラグビースクールの理事長・校長も務める。自身も幼少期から35歳まで楕円球を追ってきた。

 2015年のワールドカップ後に人気が定着せず、悔しい想いもしただけに、初めてラグビーボールを手にする子どもたちの光景がまぶしく、感動的だった。

「今日は日曜日なので、基本的にラグビースクールに通っている子たちは来られません。今日ここに来ている子たちはラグビーをやってない子が多いんです。彼らがラグビーボールに触れる機会ということで、とても素晴らしいと思います」

 ニッパツ三ツ沢球技場の周辺は公園施設が多い。試合終了後にはラグビーボールで遊ぶ親子の姿がそこかしこで見られた。ラグビー界にとって幸せな光景だった。

PICK UP