女子 2020.02.02

弘前で女性のためのラグビー体験会。オリンピアンが楕円球の種を蒔く

[ 編集部 ]
弘前で女性のためのラグビー体験会。オリンピアンが楕円球の種を蒔く
弘前でラグビーの魅力を広める中嶋亜弥さん(右から2人目)。(撮影/松本かおり)
室内練習場で思い切り楽しんだ。(撮影/松本かおり)
参加者全員、手で「りんご」マークを作ってパチリ。(撮影/松本かおり)
インターネットだけでなく、チラシを見て参加した人たちもいた。(撮影/松本かおり)



 男女の日本代表だけでなく、女子韓国代表の選手もいた。
 2月1 日の午前、青森県弘前市で弘前サクラオーバルズ(以下、オーバルズ)のラグビー体験会が開かれた。中心となって指導したのは中嶋(旧姓・竹内)亜弥さん。リオ五輪へ女子セブンズ日本代表として出場した同選手は、この春からオーバルズのプレーヤー兼スタッフとなる。
 中学生から大人の女性を対象に指導し、参加者はパス、キック、ステップ、タックルなどを実際にやってみた。

 体験会には、日本代表SHとしてワールドカップ出場の経験もあり、セブンズ日本代表の監督も務めた村田亙氏(現・専修大学監督)のほか、女子韓国代表の3選手も参加した。翌2日に開催される雪上ラグビー大会に参加するため、同地を訪れていた。
 参加者は約30人。笑顔の中で上手になるコツとラグビーの楽しさを教わり、最後にはタグラグビーに興じた。楽しい90分となった。

 オーバルズは2019年の春から活動を始めた弘前のクラブだ。ラグビーで女性ができる環境をつくり、「運・職・住・育」のある楽しい地域社会をサポートすることをミッションとしている。
 小・中学生が所属するラグビースクールのカテゴリーでは現在48人が楕円球を追っている。

 体験会の最後に中嶋さんは、参加者にこう呼びかけた。
「ラグビーは、プレーだけでなく、つながりができるスポーツです。体がぶつかり合うと、(他の人たちと)すごく近くなれるでしょう。せっかくなので、みんな友だちになってください。そして、また来てください」
 多くの人たちが集まってくれたことについて「嬉しい」と笑顔を見せ、「チラシを見てきてくださった学校の先生たちもいて、すごく楽しそうでした」と続けた。

 その先生方は、お隣の平川市の小学校に勤務する古川絵美子先生と、弘前市内の中学校に勤務する沖野安佑子先生だった。
 沖野先生は、「これまでやってきたスポーツと違い、頭と体を一体にしてやらないといけないところが面白かった」と話し、古川先生も「ボールを持った瞬間にいろんな判断をしないといけないんだけど、そこが楽しい」と同意した。

 チラシを受け取ったことをきっかけにクラブの存在を知り、ラグビーに触れたふたりは、「またラグビーをやりたいし、(普及に)携わっていきたいですね。クラブには、地域の中心になってほしいですね」と口を揃えた。
 おふたりの学校にも楕円球が転がる日が来るかもしれない。


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