東京都内でラグビーをプレーする幼児、小学生がW杯直前と比べて1・34倍に増加。
東京都内でラグビーをプレーしている幼児と小学生の数が、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会直前に比べて1・34倍に増加したことが分かった。特に幼児(3〜5歳児)は1・69倍、小学1年は1・43倍も増えて、W杯閉幕後もラグビーブームが継続していることを表している。
都内の25スクールで構成する「東京都ラグビースクール校長会議(ミニ部門)」(議長・宮島郁夫杉並少年ラグビースクール校長)が、W杯開幕直前の昨年9月初旬と同12月末の生徒数を調査して比較した。
昨年9月に25スクールの生徒数(幼児と小学生)は計2922人だったが、12月末までに1000人近く増えて計3911人となった。すべてのスクール、すべての学年で増加し、最も伸び率が低い小学6年でも1・13倍になった。スクール別伸び率では、渋谷インターナショナルラグビークラブが最も伸びて1・89倍になった。都内最大の世田谷区ラグビースクールは392人から529人に増えた。23区内の12スクールでは平均1・35倍、多摩地区の13スクールでは同1・32倍の増加だった。
従来はラグビー経験者の父親が「自分の子どもにもラグビーをやらせたい」と連れて来るケースが多かったが、W杯以降は「自分は未経験者だが、W杯を観客席やテレビで見た子どもが自分から『やりたい』と言い出したので」と話す親子が多いのが、最大の特徴だ。
W杯閉幕後に、東京都ラグビー協会は狛江市で新たにスクールの設立を承認した。既存の25スクールでも、年明け後も新規入校は続いており、都内のこの年代の競技人口はすでに4000人を超えたとみられる。
一方、生徒数の急増に対して、練習や試合をする活動場所が手狭になったり、コーチをする人材の確保が進まないなどの課題も浮き彫りになった。大半のスクールは保護者らがボランティアでコーチをしている。25スクールのうち6団体は一部または全ての学年で、W杯後に新規入校の受け入れを制限した。
宮島議長は「増えた競技人口もW杯の大事なレガシー(遺産)の一つ。各スクールは一過性のブームに終わらせず、増えた生徒が成長してもラグビーを続けられるよう努力している。活動場所の確保には自治体や企業の理解と協力が不可欠で、引き続き協力を要請していきたい」と話している。
【学年別の生徒数増加率】
幼児(3〜5歳児)=1・69倍▽小学1年=1・43倍▽小学2年=1・38倍▽小学3年=1・29倍▽小学4年=1・18倍▽小学5年=1・17倍▽小学6年=1・13倍