海外 2020.01.24
長谷川流を知る田村義和スクラムコーチ。新生サンウルブズで「押しに行きます」。

長谷川流を知る田村義和スクラムコーチ。新生サンウルブズで「押しに行きます」。

[ 向 風見也 ]

 舞台は、世界最高峰とも言われるスーパーラグビーだ。「プレッシャーがありますけど、今後コーチをずっとやるか、ラグビー業界にいるかどうかにかかわらず、いい経験になる」と決断し、現在に至る。
 
 軸に据えるのは、2017、18年にはサンウルブズも教えた長谷川のスタイル。長谷川はかねて、ヤマハや日本代表のスクラムを「コアの短い日本に合う」ものとしていた。

「全部が全部、そうじゃないですけど、基本的な考え方はそういうふうになるのかな。僕、それしか知らないので」

 ただし長谷川がいた頃と違い、いまのサンウルブズには初顔合わせの外国人選手が多い。そのため「僕や日本人選手の感覚(にある)ディテールとかを、押し付けるようにはしたくない」と田村。選手たちとは対話を経たうえで、最終的に同じ方向を見られればいい。

「『こうしなきゃいけない!』はよそうかなとイメージしていましたが、実際にその通り(そうしたほうがよいと感じた)」

 日頃から連絡を取り合う長谷川からは、サンウルブズでの月間、週間スケジュールの立て方、長時間移動に伴う時差の存在について助言を受けている。さらに前向きな言葉で、背中を押される。

「根詰めないで、楽しんでやれ」

 キャンプ中は指揮官の大久保、コーチングコーディネーターで以前日本代表にも携わった沢木敬介という「テレビの(なかの)人」から練習のマネジメントについてのノウハウを伝授される。選手の成長を促しながら、自らの成長も実感している。

 改めて、全てのきっかけとなったのは2010年のヤマハ入りだ。田村が同部から誘われたのは、在籍していた韓国人PRが急遽退団したからだと本人は聞かされている。

 だから、いまになって笑う。

「その時の韓国人の方には、足を向けて寝らんないです」

 全ての巡り合わせに感謝し、チャレンジングな日々を楽しむ。

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