国内 2020.01.12
「1年間、やってきたことを」忠実さ貫いた明治。痛恨のセットプレー

「1年間、やってきたことを」忠実さ貫いた明治。痛恨のセットプレー

[ 編集部 ]

「スクラムは優位という意識の中で、自陣ゴール前だったので、相手のペナルティを狙う意識があった。1番にいきすぎて、スクラム全体が右に流れてしまいました」

 スクラムは明治にとって特別なプレーだ。FWを前に出すスタイルはDNAに刻まれ、そのシンプルさには選手たちもプライドがある。劣勢をはね返そうとする選手たちにはその分、スクラムゆえの気負いが生じたかもしれない。明大FWの面々の意思が微妙にずれた。

 残り30分、明大5-38早大に。また勝利の天秤がカタリと早稲田に傾いた。

 PR笹川は、この日の大舞台にむけた、最後の1週間の準備について問われて答えた。

「意識してきたのは、日常生活で落ちているゴミを拾うとか、プレー以外も含めてディテールの面でした」

 この1週間、だけでなく、前の代から受け継いだチームで1年間続けてきたことを忠実に、この週も徹底して勝負の朝を迎えた。基本プレー、ディフェンス、コミュニケーション、スクラム…。80分間に表れた場面のすべて、この日の舞台に立っていること自体も、その結晶だ。勝負の綾からは少しだけ逸れてしまったが、自分たちを貫いた日々は、決勝の舞台を輝かせた。紫紺の歴史がまた前へと歩を進めた。

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