国内 2020.01.11

早大が11季ぶりに大学日本一! 満員の国立競技場で前王者・明大との激闘制す

[ 編集部 ]
早大が11季ぶりに大学日本一! 満員の国立競技場で前王者・明大との激闘制す
決勝で何度も力強い走りを見せた早稲田大のNO8丸尾崇真(撮影:松本かおり)


 大学ラグビーの日本一を決める、第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の決勝が1月11日、2020東京オリンピックのメインスタジアムとなる新しい国立競技場でおこなわれ、最多優勝を誇る早稲田大学が連覇を狙った前王者の明治大学を45-35で下し、11季ぶり16度目の優勝を遂げた。

 早稲田と明治。大学ラグビーを引っ張ってきたこの両伝統校が大学選手権の決勝で対戦するのは23年ぶりで、熱闘に満員の国立競技場が沸いた(観客 5万7345人)。

 12月の早明戦(関東大学対抗戦)で完敗していたチャレンジャーの早稲田はこの日、前半から勢いがあった。
 前半8分、明治にハイタックルの反則があり、早稲田のキャプテンであるSH齋藤直人がペナルティゴールを決めて先制。早稲田はさらに12分、敵陣深くに入ってラインアウトから攻め、FL相良昌彦が中央を突いたあと、SH齋藤が右へすばやく展開、CTB中野将伍がディフェンダーをかわして2対1の状況となり、大外でパスをもらったNO8丸尾崇真がゴールに持ち込み最初のトライを挙げた。

 早稲田は26分にもラインアウトからのムーブで鋭角に切り込んだCTB長田智希が中央を突破し、軽快なフットワークで約40メートル走り切り大きな追加点。勢いに乗る早稲田はその後、両CTBの連続オフロードとNO8丸尾のビングゲインで再び敵陣深くに入り、相手に反則があってラインアウトへと移り、32分、モールで押し込みHO森島大智がインゴールに押さえた。

 早稲田はディフェンスでも明治にプレッシャーをかけ、流れをキープ。
 37分にはハーフウェイ中央のスクラムからすばやくボールを出し、左外をWTB古賀由教が駆け上がり敵陣22メートルラインに迫ると、クイックリサイクルからボールをもらった1年生FL相良が2人のタックラーをかわしてゴール中央に持ち込み、チーム4トライ目となった。キッカーを務めるSH齋藤は着実にコンバージョンキックを決め、31-0で折り返した。

 大差をつけられた明治。それでもあきらめず、後半はディフェンディングチャンピオンの意地を見せた。
 明治は後半早々、ラインアウトからのバックス展開で抜けたWTB山村知也が左隅にフィニッシュし、SO山沢京平のコンバージョンも決まり7点を奪い返した。

 しかし早稲田は47分(後半7分)、相手の御株を奪いスクラムでターンオーバーすると、敵陣深くで20フェイズを重ね、WTB古賀がトライゲッターとなり明治を突き放した。

 再び31点差とされた明治は56分、SO山沢からオフロードパスをもらったLO箸本龍雅がゴールへ走り切り、勝利への執念を見せる。61分には山沢がディフェンスを破って自らゴール中央に持ち込み、69分にはWTB山崎洋之がタッチライン際を振り切ってトライゲッターとなり、山沢のコンバージョン連続成功で10点差に詰めた。

 しかし早稲田は74分、ハーフウェイのスクラムからNO8丸尾がサイドアタックで大きくゲインし、サポートについていたWTB桑山淳生につないでアカクロの背番号14が駆け抜け、早稲田のファンが大歓声を上げた。

 明治は試合終了間際に1トライを奪い返し意地を見せたが、激闘の終わりを告げるノーサイドの笛が鳴り、歓喜したのは早稲田だった。

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