コラム 2020.01.10
【ラグリパWest】まぜ麺作りはラグビーのつながりで。若野祥大/Japanese まぜ麺 MARUTA

【ラグリパWest】まぜ麺作りはラグビーのつながりで。若野祥大/Japanese まぜ麺 MARUTA

[ 鎮 勝也 ]
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 就職はリクルート。ブライダル雑誌などで10年働いたが、疑問が沸いてくる。
「自分でしている感じがしませんでした。みなさんの応援をしている感じでした」
 入社4年目で東京から広島に転勤する。かの地で今のまぜ麺を知る。

「住んでいた家から近かったので週3、4回は嫁と行ってました。酸味もだしの味も効いている。飲み会の締めに食べても胃にもたれない。これや、って思いました」

 大阪に転勤後も、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇には無給で手伝うようになる。新幹線も自費。その本気度に店主は築き上げてきたものを授ける。

 2016年7月末で退社。その年の12月に店開き。並んだ店前の祝い花の中には、早稲田の同期や3年生まで監督だった清宮克幸(現日本ラグビー協会副会長)のものもあった。

「清宮さんはそういうことはあまりしないようです。それを聞いてありがたかったです」
 教えてくれた同期のSH矢富勇毅(ヤマハ発動機)は京都出身。妹はこの店でバイトをして助けてくれた。

 創業の地を京都にしたのは理由がある。
「いずれ海外にお店を出したいんです。だから外国人観光客が多い京都で和風のこのだしを提供したかった。嫁が大学を含め15年ほど住んでいたこともあります」

 不定休にして麺作りに打ち込む。その結果、「まずは3か月が目標」と言われる新規開店ながら、昨年12月で丸3年が経過した。

 若野の奮闘に応えるように、母校も第56回大学選手権決勝に進出。1月11日、東京・新国立競技場で明治と戦う。決勝進出は6年ぶり、優勝すれば11年ぶりになる。

「自分は幸せなことに強いワセダに入って、強いまま卒業できました。ここまで苦しい時代がありましたが、後輩たちもそうであってくれればいいなあ、と思います」

 決戦の土曜日もお店は開ける。まぜ麺作りに精を出す。その夕刻、吉報が届いたら、若野の疲れが吹っ飛ぶこと、請け合いだろう。

「Japanese まぜ麺 MARUTA」のまぜ麺。これはめん大、チャーシューと揚げごぼう増

◆Japanese まぜ麺 MARUTA◆
■住所 〒602−0078 京都市上京区丸太町通河原町西入ル高島町338−3
■電話 075−748−1961
■営業時間 昼=11時30分〜15時、夜=17時30分〜22時
■定休日 不定休
■席数 カウンター8、テーブル10
■最寄り駅 京阪神宮丸太町から西へ徒歩5分、地下鉄丸太町から東へ徒歩10分

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