国内 2020.01.07

もうひとつの花園 U18合同東西対抗戦でもラグビーを愛する高校生たちが躍動

[ 編集部 ]
もうひとつの花園 U18合同東西対抗戦でもラグビーを愛する高校生たちが躍動
すばらしいプレーが多かったU18合同東西対抗戦。青いジャージーが西軍(撮影:宮原和也)


 第99回全国高校ラグビー大会で高校日本一を決める戦いの前、“もうひとつの花園”と呼ばれる熱闘があった。「第12回 U18合同チーム東西対抗戦」。少人数のラグビー部で楕円球に青春を捧げた高校生ラガーマンたち――、各都道府県の新人大会および各ブロック新人大会に単独校で15人制試合に参加できなかった選手で、夏に開催された「KOBELCO CUP 2019 U18全国高校合同チームラグビー大会」に参加した選手の中から選ばれた者たちが、ワールドカップの会場にもなった東大阪市花園ラグビー場の第1グラウンドで思い切りプレーした。

 先に躍動したのは西軍だった。
 前半6分、NO8東園海宙(宮崎・宮崎工業)が敵陣深くで相手にプレッシャーをかけてターンオーバーし、CTB大津直人(大阪・常翔啓光学園)の果敢な走りなどもあってチャンスとなり、最後はFL安原幸亜(沖縄・嘉手納)がインゴールに突っ込み先制した。

 対する東軍は9分、SO岸岡想士(東京・成城学園)の鋭い走りで敵陣深くに入ったが、西軍はLO追田凛太郎(大阪・枚方)がブレイクダウンでナイスファイトを見せ、さらなる前進を許さなかった。

 その後も西軍が粘り強いディフェンスをしたが、東軍は17分に再びゴールに迫りFWのタテへの連続突進などでフェイズを重ね、BK展開すると、CTB櫻井雄斗(東京・成城学園)が好判断でディフェンス裏にキックでボールを転がし、いち早く反応したWTB久保田理大(長野・下伊那農業)がインゴールで押さえトライを挙げた。そして、CTB菊地将太(愛知・旭丘)が難しい角度からのコンバージョンキックを決め、同点に追いついた。菊地はその後、激しいタックルでもチームメイトを鼓舞。

 しかしハーフタイム前、西軍はチーム一体となって攻め、FL柿本大智(愛媛・北条)、FL安原、CTB大津とつなぎ、青いジャージーの背番号12がゴールに持ち込み勝ち越した。

 12-7で折り返した西軍は後半7分、FB山村光優(福岡・九州国際大学付属)が自陣からのカウンターで次々とタックラーをかわしてゴールへ走り切り、追加点、花園を沸かせた。同じ高校のSH松本新大がコンバージョンキックを決めて19-7とした。

 終盤、トライへの執念を見せる東軍に対し、西軍は2度ゴールラインを越えられてもグラウンディングを許さなかったが、死力を尽くした東軍はラストアタックで再びゴールに迫り、PR小原有貴(愛知・旭丘)が仲間の後押しを受けてインゴールに押さえた。

 19-12でノーサイド。
 夢の舞台で新しい仲間たちとラグビーを楽しんだ選手たちは、相手チームの選手たちとも笑顔で握手をし、抱き合い、2020年1月7日、すばらしい思い出を刻んだに違いない。

試合後は全員で記念写真を撮った(撮影:宮原和也)

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