イングランドの新星マーチャントがNZブルーズ入り スーパーラグビー挑戦へ
スーパーラグビーで3度の優勝を誇りながら、2011年大会を最後にプレーオフから遠ざかり、昨年は15チーム中13位に終わっていたブルーズ(ニュージーランド)。チーム再建へ向け、ワールドラグビー年間最優秀選手賞に2度輝いたことがあるニュージーランド代表のSO/FBボーデン・バレットをハリケーンズから獲得していたが、バックラインにもうひとり、インターナショナルプレーヤーが加わることとなった。2019年にイングランド代表デビューを果たした23歳の新星、ジョー・マーチャントが新戦力となる。
身長183センチ、体重95キロのマーチャントのポジションは、センター。ブルーズのミッドフィールドからは、レジェンドのマーア・ノヌーがアメリカのサンディエゴ・リージョンへ移籍し、今年のワールドカップでも活躍したソニービル・ウィリアムズはカナダの13人制クラブであるトロント・ウルフパックと高額契約を結んでいなくなったため、マーチャントにかかる期待は大きい。
ワールドカップスコッドには惜しくも選ばれなかったマーチャントだが、鋭いステップからディフェンスを切り裂くスピードランナーで、ハイボールにも強く、在籍中のハーレクインズでは85試合で30トライを記録してきた。イングランド代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチはマーチャントが20歳のときからトレーニングスコッドに招集していた逸材で、けがなどによりテストマッチデビューは遅れたが、今年8月のウェールズ戦で初キャップを獲得した。
マーチャントはイングランドラグビー界の将来を担うひとりだが、今回のブルーズ入りは、2023年まで契約を延長したばかりのハーレクインズからサバティカル(1月1日~6月30日までの期間限定リリース)が認められたことで実現した。ハーレクインズは2018年にニュージーランドラグビー協会とパートナーシップ協定を結んでいる。世界最高峰のアタッキングラグビーが繰り広げられるといわれるスーパーラグビーで挑戦することは、イングランド代表の13番獲得を目指すマーチャントにとって、成長するための貴重な経験になりそうだ。
マーチャントは、「全盛期のうちに挑戦したいと思っていたスーパーラグビーでプレーするチャンスを与えてもらい、感謝している。そして、本当に興奮している。多くのことを学ぶことができると確信しており、学んだことをハーレクインズに持ち帰るのが待ちきれない」とコメントした。