花園へ、早実が連続出場向け初戦飾る。東京都予選
日本国内にジャパンがもたらしたラグビー熱。高校生ラガーマンたちも冬の花園(第99回全国高校大会)を目指し熱く突き進む。
2019年度東京都第1地区予選2回戦が10月20日おこなわれ、2大会連続出場を目指す早稲田実業高等部が登場した。早実は日体大荏原高から前後半で11トライを挙げ71-5と圧勝。しかし試合後は異例の出来事が待っていた。
『居残り練習で基本を徹底』
東京朝鮮高グラウンド2試合目、早実は試合を終えた。大谷寛ヘッドコーチの目は笑っていなかった。試合後、メンバーを集め指示した。「ボールを持って(タックル)ダミーにあたって寝る。ボールをリリースし3秒間。1人5本」。
すぐに黙々と居残り練習を続けた。
大谷HCは話す。「前半から基本の基本ができていなかった。やればできるのに」。
FL細川大斗主将は「リリースができなかったのはわかっていました」と理解する。
「今年は花園で年越え」がチームの目標だ。だからこそ大勝でも手を抜くことは許されない。
試合は開始から圧倒した。早実のキックオフ、荏原が受けキック、それを前に詰めてチャージした。こぼれたボールをFL小池航太郎が右隅に運んだ。わずか30秒で先制すると、4分から前半だけで計6トライを奪い、38-0とリードした。
ハーフタイム、大谷HCはディフェンスの並びでも修正を求めていた。
しかし最初の得点は荏原。6分、PKからタップで回し、1年生WTB望月颯太が右隅へ飛び込み5点を返した。これで早実の慢心は消えたか。リスタートの8分にトライ、続くリスタートでも荏原トライラインを越えた。後半も5トライ。71-5でベスト8入りした。
「最初に課題が出たことが大切」と細川。
大谷HCも「(花園まで進む)4試合の大事な一つ。アタックやブレークダウンで圧力は、かけ続けていた」。あとは気持ちの問題を修正していく。
次の試合は東京朝鮮高と10月27日にあたる。東京朝高とは1月の新人大会3回戦で21-14と勝ち、8月の練習試合(前半のみ)は5-5で分けている。
『東京朝高も10トライで早実戦へ』
第1試合、東京朝高は桜美林高と対戦した。早実同様に前半から試合の主導権を握る。
3分、左WTB金裕賢が右中間ゴールへ運んだ。金は8分、21分、28分と計4トライを取り切った。後半はスクラム起点からつないで仕留めるなど4トライ。計10トライで64-0と一蹴した。
こちらは95回大会以来4年ぶりの花園出場をかける。主将FL李昇進は「花園で1勝が目標。早実に勝つ」と壁を突き破る決意だ。
朝高にも緩みがあったという。菅平高原での夏合宿、応援に訪れた方へ選手たちの挨拶などがきちんとできていなかった。叱られた。「慢心があったと思います。いまは大丈夫です」(李)。周りへの感謝を勝利へつなげていく。
早実、東京朝高の勝者と準決勝であたることになる隣のブロック。2回戦は都立校で力をつけている狛江高と小山台がぶつかった。狛江がパスラグビーで前半すべて中央に3トライするなど、45-12で勝ち進んだ。
第1地区には2大会ぶりの花園を目指す目黒学院高、3大会ぶりの東京高が控える。
また第2地区は2大会連続出場をかける本郷高や國學院久我山高など強豪との争いだ。
本郷は準々決勝(27日)で都石神井戦だ。石神井は2回戦で早稲田学院高を強力モールで下した(20-10)。