ワールドカップ 2019.10.21

田中史朗、涙。いろんな思いが重なった10月20日。

[ 編集部 ]
田中史朗、涙。いろんな思いが重なった10月20日。
34歳の田中史朗。今回のワールドカップで日本代表最多の通算75キャップ(Photo: Getty Images)


 身長166センチ、体重72キロの勇者、田中史朗は泣いた。自国開催のラグビーワールドカップ準々決勝、ジャパンは南アフリカ相手に死力を尽くしたが、3-26、すべての戦いが終わった。

「長く代表をやってきて、次あるかもわからないので、もしかしてこれが最後かもというのもあったし、たくさんの方が応援しに来てくれたので。自分が2011年(ワールドカップ初出場)以降思い描いていた絵が目の前に広がったので、負けたのは悲しいけれど、日本ラグビーの幕開けじゃないけど、ここからまた進化していけると、ファンを見ていたら思ったので涙が流れた」

 常に、子どもたちに夢や希望を与えたいと口にしていた。海外でも挑戦し、日本人初のスーパーラグビープレーヤーになり、言葉だけではなくて行動でも日本ラグビー界を刺激した。

 念願だった自国開催のワールドカップ。開幕戦のあと、「自分が思い描いていた通りの映像。赤白のジャージーを着てみんなが国歌を斉唱してくれて、日本として世界に戦いにいけると感動したし、うれしかった。あれだけのファンの方に応援していただいてるので、日本の桜を背負って戦う限り、絶対勝たないといけないと感じた」と話していた。

 準々決勝で敗れた10月20日は、娘さんの誕生日だったという。3年前に亡くなった伏見工業高校の大先輩、平尾誠二さんの命日でもあった。
「これから10月20日というのがいろんな思いが重なった日になりそうで……。でもすごく、人生としてはいいことかなと思います」

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