ワールドカップ 2019.09.09

全員の胸に「ベスト8」。日本代表、誇れるチームになる準備できた。

[ 編集部 ]
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全員の胸に「ベスト8」。日本代表、誇れるチームになる準備できた。
史上最大の戦いに挑む日本代表の選手たち。(撮影/松本かおり)



 スーツ姿の屈強な男たち。
 29人の戦士たちは、それぞれ充実した表情を見せた。
 熊谷での南アフリカ代表戦の翌日、9月7日に都内でおこなわれた日本代表選手団の記者会見。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(以下HC)、リーチ マイケル主将らが9月20日に始まるワールドカップへの決意をあらためて口にした。

 この日を迎えるまでの周囲のサポートに対して感謝の言葉を並べたのはジョセフHCだ。協力姿勢を示し続けたトップリーグチーム、スポンサー、そしてスタッフ、選手たちの家族への思いを挨拶に込め、チームの充実を「選手たちは、フィジカル的にもメンタル的にも準備ができています」と表現した。
「今回のワールドカップが、これからの日本のラグビーにとって、どれだけ重要かチーム全員が理解しています。皆さんが誇れるチームになって、ワンチームで戦います。ベストを尽くし、そうなることを実現させたい」

 同HCは記者からの質問に対して、前日の試合で負傷したWTB福岡堅樹、NO8アマナキ・レレィ・マフィの状態についても話した。
 W杯スコッドメンバーは31人も、ふたりが欠けていたから、この日は29選手の参加だった。
 HCは「いい知らせがあります」と話し出して続けた。
「堅樹はふくらはぎに少し出血があったようですが、当初本人が思っていたほど深刻ではなかったようです。フルスピードで走っていなかったのが幸いした。医学的にはグレード1の張りということです。ナキは肩を負傷しましたが、シリアスな問題ではないようです」
 関係者の話を総合すると、開幕のロシア戦への福岡の出場は難しいが、大会中に復帰できる見込みだ。

 リーチ主将は言葉が少なかったが、そのぶん、強い思いが伝わった。
「ベスト8に向けて、いい準備ができています。ワールドカップでは、1試合、1試合、大事に戦っていきたい」
 主将同様、2011年大会から3大会続けて大舞台に立つSH田中史朗の言葉からも、チームの充実ぶりが伝わってきた。
「いまの日本代表は、コーチに頼るだけでなく、自分たちで考え、進化してきました。そういう意味でも、これまでのチームと比べても誇れるチームになったと思います」

 森重隆日本ラグビー協会会長も、南アフリカ戦を「細かなミスが多かった」と振り返りながらも、「残り2週間で修正してロシア戦に臨んでくれるはず」と期待を寄せた。
「目標はベスト8」
 会長の口からあらためて出たターゲットに、誰も異論はなかった。


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