コラム
2019.08.15
【ラグリパWest】橙色のためのスラッシー。 田邉淳[クボタスピアーズ アシスタントコーチ]
卒業後は、「ティーチャーズ・カレッジ」と呼ばれるクライストチャーチ教育大に進む。
ラグビーは地元クラブのシャーリーで続けた。速さ、キック、パスなどを武器にSOやFBとして一軍に定着する。
オールブラックスのLOクリス・ジャックとはチームメイト。日本人ではカンタベリー大学クラブにリコーから留学中のSO信野將人、バーンサイドには帰国してから代表キャップを17に積み上げるPR西浦達吉らがいた。
地元の土産物屋で働いていたが、現地に合宿に来た三洋電機(現パナソニック)の首脳の目に留まり、2003年に帰国。そのシーズンからチームに加わる。NZでは9年を過ごした。
2009年度は得点王(191得点)とベストキッカー(171得点)の2冠に輝く。翌年度は連続してベストキッカー(152得点)になった。日本代表ではキャップは3を獲得した。
2013年度シーズンを最後に現役引退。11年間でリーグ制覇を3回果たす。その後、コーチに就任。そして、サンウルブズに移る。両チームで3年ずつ指導経験を積んだ。
影響を受けた指導者は4学年上のトニー・ブラウン。サンウルブズのヘッドコーチだ。
オールブラックスとして18キャップを持つ元SOとは、選手やコーチとしてパナソニックなどで11年間一緒だった。
「そんなところを見ているか、っていうくらい色々見ています。映像なら画面の端ですね。『ボールの動きは観客と記者に任せておけばいい』と言われました」
コーチは「見るプロ」でなければならない。見えないと教えられない。次の段階に上がれない。一番大切なことを教わる。
まずは、黒星を喫した神戸製鋼との試合をすみずみまで見渡して、これからのクボタの躍進を支えていきたい。