国内 2019.08.08
元アルペンスキー選手の仙台高校・LO浅井勇暉。2019年度第5回『TIDキャンプ』

元アルペンスキー選手の仙台高校・LO浅井勇暉。2019年度第5回『TIDキャンプ』

[ 多羅正崇 ]

 身長187センチの元アルペンスキーヤー。素材は十分に魅力的だが、競技歴は1年と少し――。

 そんな逸材を発掘したのは、ビッグマン&ファストマン キャンプの発起人で、若手選手の強化・発掘を専門にする日本ラグビー協会リソースコーチの野澤武史氏だ。

「コベルコカップのセレクションがあったんですけど、その時に立ち幅跳びが(求められる)基準に近かったので、野澤さんに注目してもらうことができました」

 野澤コーチによれば、浅井は大型選手の「ビッグマン」としても、スピードに長けた「ファストマン」としても参加可能な唯一の選手だった。

 かくして全国的に無名な浅井は、スキルの完成度が問われないビックマン&ファストマン キャンプに招集された。

 参加した3日間のキャンプでは、グラウンドでの技術指導だけではなく、戦略の理解度や私生活の重要性も示された。刺激的だった。

「今までは日本代表というものを遠く感じていて、動画などで見るだけでした。ただ今は日本代表が少しずつ、目標に変わりつつあるのかなと思っています。このまま進化を続けて、ラグビーを一所懸命に頑張っていきたいです」

 これからもラグビーを一生懸命に頑張って、いつかは――。
 3日間で希望をもらった。いよいよ始まるワールドカップ日本大会で、浅井は、キャンプに参加した37人は、日本代表の勇姿をどんな気持ちで見つめるのだろう。

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