日本代表 2019.07.07

サントリーで試合勘磨く。北出卓也は7日、満を持して日本代表合宿へ参加。

[ 向 風見也 ]
サントリーで試合勘磨く。北出卓也は7日、満を持して日本代表合宿へ参加。
ラグビーワールドカップトレーニングスコッドのキャンプでスローイングを練習する北出卓也(撮影:向 風見也)

 6月3日に発表されたラグビー日本代表メンバー42名のうち、9日集合の宮崎合宿へ合流せず所属先の公式戦に出てきたのが北出卓也だ。

 7月6日までサントリーの一員として、トップリーグカップに2戦連続で先発出場。代表合宿へは7日集合の第3クールから参加予定。決意を明かす。

「(この日までは)サントリーにコミットしてきました。ここから代表に切り替えてやっていきたいです」

 東海大出身の26歳で、身長180センチ、体重102キロの強靭な身体を突進、スクラムで活かす。一昨季までトップリーグで2連覇した強豪の主戦HOとして、昨年12月発表のナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)に加わった。このNDSは、同時期にリリースされたラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)の予備軍的存在。北出は今秋のワールドカップ日本大会での日本代表入りに向け、幾多のライバルとの競争に挑んでいた。

 主要な代表候補が春に結成したウルフパックでは、海外の若手選手たちとの強化試合に4度出場。しかし、ウルフパックが海外遠征に出た5月には、国内残留組約10名で走り込みをおこなったこともあった。

 約60名いた候補選手が北出を含む42名に絞られてからは、国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズへ帯同。他の代表選手が宮崎入りするなか、南半球ツアーへ出かけるも2戦中1試合で途中出場したのみだった。

 6月15日のジャガーズ戦を出番なしで終えると、敵地ブエノスアイレスから長時間のフライトを経て帰国。サントリーのFW第1列に故障者が出たこと、何より北出自身がゲームタイムを求めたことを受け、カップ戦で2試合連続先発を果たす。

 6月30日のホンダ戦では2~3日の準備期間を経てプレーし、40-3で勝利(三重・三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場)。7月6日の栗田工業戦に向けてはチーム練習に「まるまる1週間」の参加が叶い、55-7で白星をつかむ(東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場)。プールAで開幕3連勝中だ。

 北出の起用について、田原耕太郎コーチングコーディネーターはジョークを交えて言う。

「北出にしても、石原(慎太郎・サントリーのPRで、7月1日に日本代表の練習生として宮崎入り)にしても、彼らの一番の目標はワールドカップ出場。僕らとしてはそれを応援したい。そのなかで、彼にとってはゲームタイムがあった方がいいという話になったので出場させました。…無理矢理ではないです」

 海外遠征の直後に国内公式戦へ臨む日程を、本人は「プラスに捉えている」という。

「コンディション(体調管理)、体力はひとりで上げることができても、試合勘だけはひとりでは上げるのが難しい。試合に出られて、プラスになったと思います」

 日本代表のHOの位置には、ワールドカップ2大会連続出場中の堀江翔太、堀江と同じパナソニック所属で同大会初出場を目指す坂手淳史、サントリーの同僚でもある堀越康介という好選手がひしめく。北出は「他のメンバーは(7月3日までの)第2クールを終えている。(自身は)出遅れていると思うので、しっかりアピールできるようにやっていきたいです」と巻き返しを誓う。

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