藤山裕太朗と吉永純也。シドニーで挑む。
6月15日(土)に行われた第11節は、ワラビーズのキャプテン、マイケル・フーパーも所属し、日本でもお馴染みのジョージ・スミス(現サントリーサンゴリアス-コーチ)、ワイクリフ・パールー(栗田ウォーターガッシュ)等もかつてプレーしていた強豪クラブ、マンリーとの対戦だった。
ともに4軍での出場となり、この日は、同クラブに来てからHOでプレーしている藤山は先発。シドニーユニにおいて最も充実しているポジションのひとつであるFLの吉永は、リザーブからのスタートとなった。
試合はマンリーが開始早々に2トライを先取。0-12とリードされたが、強力FWのシドニーユニがやがてセットプレーを制圧する。スクラムから相手ボールをターンオーバーする場面もあった。
相手ゴール前のラインアウトからはモールで押し込み、自らのスローイングから最後尾についていた藤山がグラウンディング。安定したプレーでファイブポインターとなった。試合毎にチームの信頼を得ている。
逆転に成功し、19-12で迎えた後半。シドニーユニは早々に吉永を投入した。
フェーズを重ねて猛攻を仕掛けてくるマンリーの一連の攻撃にも屈せず、立て続けに相手を押し返すタックルを見せた吉永のプレーに会場がどよめく場面もあった。まさにフレッシュレッグの活躍を見せ、吉永はコーチの期待に応えた。
試合はシドニーユニが40-12で勝った。統制の取れた素早いディフェンスで、その後相手に得点の隙を与えなかった。
この日の対戦では、20歳以下によるコルツ(1〜3軍)を含め、2軍以下、計6チームでシドニーユニが勝利を収めた。
ただ1軍による対戦、「シュート・シールド」(Shute Shield)だけは、シドニーユニのホームながらマンリーが意地を見せた。27-21と大逆転勝利を飾った。
シドニーのクラブラグビーのシーズンは、すでに後半戦へと折り返している。しかし、試合数はまだ日本のレギュラーシーズンほど残っている状況だ(全21戦)。
この時期からはスーパーラグビーの選手達がクラブに戻り、下位グレードにおいてもチーム内競争が激化する。
8月のファイナルシリーズまでのふたりのさらなる成長、そして日本への帰国後の活躍も楽しみだ。
(文/YASU TAKAHASHI)