「飛び込まない」で、倒す。日本代表の布巻、宮崎合宿でしたいこととは。
ラグビー日本代表は約60名いた候補選手を42名に絞って宮崎で合宿中。6月3日に都内でおこなわれたジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチの会見内容によれば、10日に本格始動したキャンプ第1弾では今秋開幕のワールドカップ日本大会への準備が主目的になるとのことだ。
本番でぶつかるアイルランド代表、スコットランド代表は欧州6強の一角で、身長190センチ超の大型FWを複数、揃える。布巻峻介は話す。
「シンプルに強いタックルを練習しています」
26歳の7キャップ(代表戦出場数)は、FW第3列のFLとして地上戦の強さを誇る。身長178センチ、体重98キロの身体を接点に打ち込む。細部にもこだわる。具体的には向こうの懐へ踏み込み、ぶつかった後も足をかいて相手をなぎ倒したい。
「低く行っても、飛び込まない。足が使えない状態にならないように(相手に)踏み込んで、足が死んでいない状態になるように」
自陣ゴール前で防戦一方となった場合の2人がかりでのタックルもチェック。相手へ飛び込む角度を工夫し、向こうの勢いを殺したい。
本番を約3か月後に控えた時期にすべきことを問われ、「ひとつは自分の役割であるタックル、ブレイクダウン(接点)周り(の仕事)。それをワールドカップでの極限(レベル)に、質を高めないといけない」。組織的な枠組みを遵守しながら、持ち味を発揮する。
「チームのシステムのなかで自分のタックル、ブレイクダウンを出せていけたらと思います」
今度の初回合宿は休息日を含めて19日まであり、以後は23日~7月3日、7月7~17日にキャンプが続く。同月下旬からは環太平洋諸国、アメリカ大陸諸国代表とのパシフィック・ネーションズカップが開かれる。
グラウンド外では「リーダーは『いい準備をしよう』と言うことしかできない。ただいい準備をさせると言っても、それをするのは結局、自分自身。自分が(リーダーの求める準備を)やって、ある程度は(周りを)引き連れていけたら」と、船頭役グループを側面支援する布巻。「31」あるワールドカップ最終登録枠入りへのサバイバルレースにも、ぶれずに挑む。