日本代表 2019.06.08

大阪桐蔭高の奥井章仁、U20日本代表へ飛び級して感じた「意識の高さ」とは。

[ 向 風見也 ]
大阪桐蔭高の奥井章仁、U20日本代表へ飛び級して感じた「意識の高さ」とは。
U20日本代表候補のキャンプでスクラムに取り組む奥井章仁(撮影:向 風見也)

 飛び級の戦士が気を吐いた。

 ラグビー20歳以下(U20)日本代表候補が集まるTIDキャンプの今年度3回目となる合宿が6月5日に始まり、6日夜は東京・栗田工業グラウンドで同社ラグビー部との試合形式練習があった。

 ここへ2名出場した高校生選手のうちのひとりが、今回初招集された奥井章仁。大阪桐蔭高2年時から高校日本代表となった新3年生だ。防御網への突進、ラインブレイク、陣形が乱れたなかでのハードタックルなどで持ち前の強さを発揮した。戦前に意気込んだ通りだった。

「自分の強みであるボールキャリー、コンタクトが上のカテゴリーでどれくらい通じるか試したい」

 身長177センチ、体重106キロ。所属先では1年時から正FLとして活躍し、昨季は高校日本一も経験した。今季も高校日本代表候補としての活動を控えるなか、U20日本代表の水間良武監督に「(前年度の)高校日本代表の試合を観て、いい選手だと思ったので」と認められ、飛び級が叶った。

 上位カテゴリーのキャンプで実感するのは、「一人ひとりの意識の高さ」だという。

 ラインアウトの練習では、合間に組む円陣で菊谷崇コーチが改善点について質問を投げる。選手は端的に考えを述べていた。自分たちのプレーにより主体的に関わらねばと、奥井は刺激を受けたようだ。

「高校では先生やコーチに言われたことをするのですが、大学生は自分たちで動いで自分たちでフィードバックしている。自分たちで答えを出していくところが、(U20日本代表の)高校と違うところだと思います。一つひとつの動きを大切にしている。自分は、まだまだ甘いです」

 高校日本代表での経験から、海外チームとの戦いで勝つには「セット(所定の立ち位置へ並ぶこと)の速さで優位に立つ」ことが大事だと強調。「そうすればテンポアップでき、小さい身体でも前に出られる」と、ボールを持たない時もハードワークしたいと誓う。

 今後は7月にブラジルであるワールドラグビーU20トロフィーへの出場を目指す。「呼ばれているからには、(大会登録メンバーに)選ばれたい。できることを一つひとつやっていきたいです」と意欲的だ。

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