2020年もサンウルブズで? 日本代表入り目指す松橋周平の真っすぐな視線。
6月1日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグであるスーパーラグビーの第16節で日本のサンウルブズはオーストラリアのブランビーズに19-42で敗戦。故障者が出たため急遽ベンチ入りの松橋周平は後半21分から出場も、見せ場は作れなかった。それでも前へ進む。
「昨日いきなり言われたので準備することはたくさんありました。入って自分の見せたいものはいろいろとイメージできていたのですが、試合を通して自分を出せるシーンが少なくて。こういう時でも流れを変える力をつけたい、とは思いました」
今季のサンウルブズは頻繁な選手の入れ替わりのため連係強化に苦しみ、ここまで2勝12敗。この日は序盤から防御ラインの出足を「オフサイド」と判定され、向こうの得意とするラインアウトモールで苦しめられた。
序盤の戦いをベンチで見ていた松橋は「ペナルティをすると相手は(タッチを)蹴ってモール……となる。ずっといいプレーをしていても、同じことの繰り返しに。規律の部分は大切だと思います」と首をひねる。個々の意気込みには敬意を表しながら、残された2試合への課題はシビアに見据えた。
「皆、前に出たくて出てしまっているんです。外の(ポジションに立つ)選手がケアするのも大事ですし、(内側に立つ)自分たち自身もいつもより(立ち位置が)下がって……ということを心がけたいです。(前に出ようという)アティチュードはよかったのですけど、それがオフサイドとなると(頑張る)意味がなくなってしまうし、自分たちも苦しめてしまう」
今秋は4年に一度のワールドカップが日本である。大会に向けた日本代表候補選手は6月3日に絞り込まれる見込みで、松橋は当落線上で「厳しい位置」にいると自覚。リーチ マイケル主将ら前年度以前の主力級が休養するなか、6月中旬までスーパーラグビーの海外遠征に挑む見込みだ。
同時期に宮崎でキャンプを張る日本代表への思いを聞かれたら、あくまでサンウルブズの選手としての態度を表明した。
「試合のチャンスをつかみ、サンウルブズが勝つためにプレーすれば、結果としていいプレーもできる。ジャパンに呼んで欲しい思いは強くありますが、我を強くし過ぎず、やれることをやれば結果はついてくる」
サンウルブズがスーパーラグビーにいられるのは2020年限り。同年は国内トップリーグが同時期に開催されるとあり、国内のリコーとサンウルブズを掛け持ちする松橋は「トップリーグと(日程が)かぶるので僕もどうなるのか、皆どうするのか、そのことをたまに話すこともあります」「うまい調整ができれば」と、具体案は考えられずにいる。
しかし、2017、19年にサンウルブズ入りし成長できたのは確かだとする。サンウルブズの未来について問われ、こううなずいた。
「日本代表の強化につながれば。僕自身もこういうところでプレーして経験を積みたい思いもあります」
いまを生きる。高いレベルを目指し続ける。身長180センチ、体重99キロの25歳は、真っすぐな瞳で荒野を見据える。