ホームで勝てないサンウルブズ… レベルズに45点差の惨敗。
サンウルブズはまたも、ホームの東京・秩父宮ラグビー場で今季初勝利とはならなかった。5月25日、スーパーラグビーの第15節でオーストラリア・カンファレンス2位のレベルズと対戦し、7-52で敗れた。全15チーム中、最下位のサンウルブズは今季これで2勝11敗。
一方、チーム史上初のプレーオフ進出を目指すレベルズは8トライを挙げてボーナスポイント(相手より3本以上多くトライした場合、勝点に1ポイント加算される)も獲得し、7勝6敗の総勝点33となり、同カンファレンス首位ブランビーズとの差を1ポイントとした。
レベルズは安定したセットピースが勝因となり、スクラムで何度もサンウルブズを圧倒するシーンがあった。出足の速いディフェンスでもプレッシャーをかけ続け、それを受けたサンウルブズはエラーを多発した。
サンウルブズのゲームキャプテンを務めたFLダン・プライアーは、「早いセットから前に出ることを心がけたが……。アタック、ディフェンスとも多くエラーが出てしまった」と悔やむ。
序盤、サンウルブズは反則が続いたこともあってレベルズにボールとテリトリーを支配され、前半13分、SOクウェイド・クーパーらのパスワークからディフェンスを崩され、FLアンガス・コットレルに先制トライを許した。16分にはCTBリース・ホッジに中央を破られWTBマリカ・コロインベテがフィニッシュ、レベルズがリードを広げた。
20分過ぎ、サンウルブズは敵陣深くに入り、相手にイエローカードが出て数的有利となりチャンスだったが、得点できなかった。
28分、今度はレベルズが敵陣深くに入り、軽快で視野が広い司令塔のクーパーがフリースペースを持つ左外のWTBコロインベテにロングパスを通し、追加点。
0-19で折り返した。
サンウルブズは、今季新加入で初先発のNO8アマナキ・レレイ・マフィが昨季まで在籍した古巣相手に奮闘し、ブレイクダウンのターンオーバーや力強い走りなどでチームメイトを鼓舞した。
しかし、後半もレベルズペースは変わらず、53分(後半13分)、出足の速いディフェンスでサンウルブズにプレッシャーをかけてボールを奪い返すと、WTBジャック・マドックスがゴールへ走り切って点差を広げた。58分にはSOクーパーがWTBコロインベテへ長いパスを通して走らせ、サポートしたFBデイン・ハイレットペティがフィニッシュ。
サンウルブズは63分、背番号15のジェイソン・エメリーが相手キックをチャージしてトライを挙げたが、それが精いっぱいだった。
セットピースが安定していたレベルズは、終盤、強力なスクラムを起点に得点するなどトライを重ね、サンウルブズを圧倒した。
敗れたサンウルブズのスコット・ハンセン ヘッドコーチ代行は、ミスが多かったアタックについて、「5メートルの勢いをつけてボールを持ってほしかった。オフロードかキャリーかの判断が良くなかった」と振り返る。圧倒されたスクラムについては、「ハードワークするしかないと思う。アイルランドから来た若いプロップ、コナン・オドネルも加わったばかり。これから順応してくれるだろう。 自分たちのスクラムを信じて、毎日ハードワークしていく。スクラムは良くなっていくと思う」とコメントした。
サンウルブズは今季ホームで戦うのは次週が最後。6月1日に秩父宮ラグビー場でオーストラリア・カンファレンス1位のブランビーズに挑む。
負傷者が増えた場合、ウルフパック(日本代表ワールドカップトレーニングスコッド)にメンバーを要請することは考えているかと聞かれたハンセン ヘッドコーチ代行は、「ウルフパックとの連携は、メンバー入れ替えを含めてこれからも取っていきたいと思う」と語り、今日で5人の日本代表候補選手がサンウルブズを離れることを明かした。