コラム 2019.05.09
【ラグリパWest】校長はラグビーでできている。 津山憲司(東海大学付属福岡高)

【ラグリパWest】校長はラグビーでできている。 津山憲司(東海大学付属福岡高)

[ 鎮 勝也 ]
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 大学への出口も東海以外に多様化させる。関西リーグの上位校では母校の関西を含め、京都産業、大阪体育、同志社に卒業生がいる。津山の長男・翼(たすく)は東海大4年生。五高から進んだスクラムハーフだ。

 ラグビー部の全国大会出場はない。
 96回大会予選(2016年度)では唯一の決勝進出も東福岡に0−85で完敗した。
 選抜はその前年度に1回。チャレンジ枠(現在は実行委員会推薦枠)で16回大会に出る。2勝1敗で予選リーグ敗退になる。札幌山の手は33−12、相模は24−21、常翔学園には12−41だった。

 チャレンジ枠での選抜出場は東福岡との県新人戦が評価基準となった。
「準決勝でスコアは7−22だったと思います。ヒガシの背中が一番見えた時でした」

 今年1月の新人戦は決勝に進出するも、東福岡に0−100と歯が立たなかった。続く福岡2位で出場した九州大会では1回戦で佐賀工に7−76と大きく差をつけられる。

 津山が校長になったのは2017年4月。
 その段階でラグビー部の総監督は下りた。監督の笠松高志にチームを託す。今は学校のさらなる良化に心を砕く。
「日本一の学校にしていきたい。色々な仕掛けをしながらですね」
 ラグビー部での経験が生かされる。

 生徒たちの満足度を上げるために、教員の授業内容をアンケートにとり、ベスト10を表彰するようにした。
「大学の合格者数も大事だとは思いますが、生徒が授業に満足してくれれば、その数字はあとからついてくると思っています」
 4つのコースも整備した。スーパー特進は難関受験とアスリート、進学は1類と2類。生徒のレベルに合わせて収容力をつける。

 スクールバスも導入する。東西にはJRの鹿児島本線が貫くが、不便とされる南北にバスを走らせ、広域の地元生を取り込んだ。
「ここに来た時は1学年200人ほどでした。今は400人になりました」

 津山は続ける。
「サッカーや野球が全国優勝をしてくれたら学校もおおいに影響を受けるはずです」
 サッカーは冬の選手権に14回出場。69回大会(1995年)では3位に入った。野球は春の選抜に2回(89、57回)出ている。
 野球とともに、東海グループの校技でもある柔道からは、世界王者についた佳央、行成、兼三の「中村三兄弟」を輩出した。

 ラグビーの名前は出ない。実績的に同じ俎上に乗せられないこともあるが、津山の美徳でもある謙譲が顔をのぞかせる。自分の出身をひいきしない、という戒めがある。
 しかし、楕円球のクラブが日本一になっても、その影響力がない訳ではない。


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