女子 2019.04.30
ワールドユース女子で日本勢がトップ3独占 福岡レディースが悲願の初優勝!

ワールドユース女子で日本勢がトップ3独占 福岡レディースが悲願の初優勝!

[ 編集部 ]
鮮やかな走りを見せた福岡レディースの大内田夏月(撮影:Hiroaki.UENO)

 福岡レディースは最初のキックオフを失敗してフワッとした立ち上がりとなり、必死のディフェンス中にハイタックルをした選手がイエローカードを提示されるなど流れは悪かった。しかし、10点ビハインドになっても「まだいける、まだいける」とみんなで盛り上げ、7人に戻った直後、懸命につないで1本トライを奪い返した。
「前半の終わりに取れたのが大きかった。ハーフタイムに、『がまんの時間は過ぎたぞ。あとはもう自分たちのやりたいことを、楽しみたいことを思いきりやっておいで』という話をしたんですけど、その通りになった。彼女たちの気持ちの余裕が、次第に相手にプレッシャーをかけたんじゃないかと思います」(平野監督)

 すると後半開始早々、大内田夏月が自陣からダミーも入れてのしなやかな走りで大きくゲインし、サポートについていた神谷桃子が同点トライを挙げた。4分には敵陣深くに入ってつなぎ、吉野キャプテンからオフロードパスをもらった吉村乙華がインゴールに飛び込み勝ち越す。6分には、吉野の強烈なタックルにスタンドから感嘆の声があがった。福岡レディースの勢いは止まらず、7分には大内田がトライを決め、22-10で逆転勝利となった。

 敗れた石見智翠館の磯谷竜也監督は、チャレンジャースピリットで挑んできた福岡レディースの選手たちを素直に称え、自分たちのチームは若さと甘さが出たと反省し、これから成長できる材料を見つけたようだ。
「レフリングがうちのラグビーと合わなかったという感じもしましたが、そこをアジャスト(調整)できなかったというのも若いチームだなと」。試合前に「シンプルに行こう」と声をかけていたが、「練習してきたことをできなかったですね。心の甘さというか、普段まったくしないようなプレーを選択してみたり…。そのへんがまだ若いチームですね。まだまだ落とし込みが足りなかったかなという気がします」。
 昨年はワールドユースのほかに第1回全国U18女子セブンズ大会でも優勝していた石見智翠館。これからも福岡レディースとのいいライバル関係は続きそうだ。

 福岡レディースの選手たちも、石見智翠館の存在が自分たちの成長につながったと認める。
「石見さんは後半に強いチーム。それに比べて、自分たちは体力がないのを自覚していた。だから、みんな体力をつけようと課題にしてたんです。福岡レディースはクラブチームなので週一しか集まれないんですけど、平日の(各学校などでの)練習でしっかり努力してこの大会に臨めたので、決勝の逆転勝ちにつながったと思います」(吉野キャプテン)

 近年、多くの福岡レディース出身選手が7人制や15人制の日本代表で活躍している。4月中旬のワールドラグビー女子セブンズシリーズ北九州大会に出場した伊藤優希、堤ほの花、長田いろはもOGで、2017年の女子ラグビーワールドカップで桜のジャージーを着た選手のなかにも末結希、南早紀、江渕まことなど福岡レディース出身者が多くいた。
 優れた選手を輩出していることについて平野監督は、「もちろんそれぞれの学校での指導もありますし、なにより、彼女たちは一生懸命で、ラグビーを心から楽しんでいるのが大きいと思います。楽しいからうまくなりたいという気持ちで毎週練習に来てくれる」と語る。
 吉野キャプテンは、みんな仲良く、助け合い、励まし合って伸ばし合う最高のチームだと言う。そして、初優勝を遂げた。
「いままで先輩たちが積み上げてきた歴史を自分たちが塗り替えようって、大会前にみんなで話していたので、達成してすごく嬉しいです」

笑顔で選手を迎える福岡レディースのコーチ、スタッフ、仲間たち。左端が平野勉監督(撮影:Hiroaki.UENO)

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