コラム
2019.04.01
【ラグリパWest】バレーボール部との共闘で15人 福岡県立久留米高校
【キーワード】久留米高校
48歳の先生は福岡教育大で競技を始めました。ポジションはセンター。出身は強豪の筑紫でしたがバスケットボール部でした。
「高校で盛んだったので興味はありました。それにスクール☆ウォーズの世代でしたから」
ラグビーを世間に広めた伝説のテレビドラマも背中を押すきっかけになりました。
先生の浮羽時代の教え子に吉瀬晋太郎監督がいます。浮羽が統合された浮羽究真館を率いています。監督は就任4年でほぼ無名のチームを県4強に導きました。
『ラグビー・マガジン 5月号』(ベースボール・マガジン社)で田村一博編集長の取材を受け、恩師の思い出を語っています。
<高校時代、先生は15人のタックルを受けてくれました。そのときの先生の顔、バインドしたときの太もも、アキレス腱あたりの感触はいまでも憶えています>
今、それは「吉瀬タックル」と名前を変えて伝わり、浮羽究真館の公式戦前のハカ(ウォークライ)のようになっています。
「あれはパクリなんですよね」
先生は笑います。大学の先輩、市山良充監督が長崎南山でやっていたことを真似ました。その光景を見た1999年、長崎南山は全国初出場を決めます。79回大会でした。
情熱を秘めた先生は、この4月、久留米筑水に転任します。
そこにはラグビー部はありません。
「久留米のラグビーを存続していってもらえたら」
先生は春季大会のエントリーを15人制で済ませました。
久留米の全国大会出場はありません。
「新人戦のベストエイトが最高成績だと聞いています」
それでも、先生が部員たちとつないだチームは来年、創部50周年を迎えます。