コラム 2019.04.01
【ラグリパWest】バレーボール部との共闘で15人 福岡県立久留米高校

【ラグリパWest】バレーボール部との共闘で15人 福岡県立久留米高校

[ 鎮 勝也 ]
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 ラグビー部はまず、8人全員が12月のバレーの県新人戦に出ました。相手は久留米大付設でした。
 岩熊君は振り返ります。
「僕たちは練習から、とりあえず拾って返す、ということを続けました」
 トスを上げるセッターやそのボールを打つアタッカーなど、年季のいるポジションは、東君ら3人の部員が担いました。

 痛みをものともせず、レシーブをしまくり、第1セットは27-25で取りました。
「いけるんじゃないか、と思いました」
 まあ、現実はそう甘くない。結果的にはセット数1-2で負けてしまいました。
 この日、ラグビー部は10人制の大会を棄権して臨んでいました。

 バレー部は恩返しをしてくれます。
 今年1月の県新人戦には3人全員が参加してくれました。
 足りない4人は、先生が奔走。授業経験者を2人、陸上部の投擲選手、そして完全未経験者の新2年生を連れてきました。
 結果は県南の名門・明善に0-117。
 敗れはしましたが、久留米高校として15人で試合ができました。

 岩熊君にあるのは謝辞だけです。
「みんなには感謝しかありません。怖い印象のあるラグビーなのに、それを押し切って出てくれました」

 先生には葛藤があります。
「助っ人に来てもらうと、申し訳ないけれど10ある力が出せない。7か8になります。合同なら経験者同士なので落ち込みは少ない。1年間、練習をやって、公式戦3試合で終わらせてしまってよいのだろうか。勝ちたい、という部員たちの気持ちを無理矢理押さえつけていないかな、と思ったりします」
 県の15人制は新人戦、春季、全国の3大会のみ。いい思いをするのは難しいのです。

 同時に先生はプラス面も口にします。
「仲間を作る、ということですね。違うクラブの部員たちとも仲良くなれる。それに、ラグビーを広める、という点もありますね。15人集めて、経験してもらう。今年は日本でワールドカップもありますしね」
 先生は近くの小学校でタグラグビーの指導もしています。


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