【ラグリパWest】バレーボール部との共闘で15人 福岡県立久留米高校
ラグビー部はまず、8人全員が12月のバレーの県新人戦に出ました。相手は久留米大付設でした。
岩熊君は振り返ります。
「僕たちは練習から、とりあえず拾って返す、ということを続けました」
トスを上げるセッターやそのボールを打つアタッカーなど、年季のいるポジションは、東君ら3人の部員が担いました。
痛みをものともせず、レシーブをしまくり、第1セットは27-25で取りました。
「いけるんじゃないか、と思いました」
まあ、現実はそう甘くない。結果的にはセット数1-2で負けてしまいました。
この日、ラグビー部は10人制の大会を棄権して臨んでいました。
バレー部は恩返しをしてくれます。
今年1月の県新人戦には3人全員が参加してくれました。
足りない4人は、先生が奔走。授業経験者を2人、陸上部の投擲選手、そして完全未経験者の新2年生を連れてきました。
結果は県南の名門・明善に0-117。
敗れはしましたが、久留米高校として15人で試合ができました。
岩熊君にあるのは謝辞だけです。
「みんなには感謝しかありません。怖い印象のあるラグビーなのに、それを押し切って出てくれました」
先生には葛藤があります。
「助っ人に来てもらうと、申し訳ないけれど10ある力が出せない。7か8になります。合同なら経験者同士なので落ち込みは少ない。1年間、練習をやって、公式戦3試合で終わらせてしまってよいのだろうか。勝ちたい、という部員たちの気持ちを無理矢理押さえつけていないかな、と思ったりします」
県の15人制は新人戦、春季、全国の3大会のみ。いい思いをするのは難しいのです。
同時に先生はプラス面も口にします。
「仲間を作る、ということですね。違うクラブの部員たちとも仲良くなれる。それに、ラグビーを広める、という点もありますね。15人集めて、経験してもらう。今年は日本でワールドカップもありますしね」
先生は近くの小学校でタグラグビーの指導もしています。