国内 2019.02.20

北海道バーバリアンズ、全国クラブ大会3連覇。強力スクラム支えた宮澤歩樹の充実。

[ 向 風見也 ]
北海道バーバリアンズ、全国クラブ大会3連覇。強力スクラム支えた宮澤歩樹の充実。
北海道バーバリアンズの宮澤歩樹(撮影:清水良枝)

 2月17日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場。北海道バーバリアンズの宮澤歩樹は、第26回全国クラブラグビー大会の決勝戦に背番号1をつけて先発する。組織的な攻撃が光る神奈川タマリバを29-21で制し、チームにとって3年連続4度目となる優勝に喜んだ。日々は充実しているという。

 2017年度までは関東大学対抗戦加盟の日体大ラグビー部に在籍し、最終学年時は主務を務めていた。北海道を訪れたのは、社会人になってからもラグビーと程よく向き合いたかったからだ。

 北の大地に根差すバーバリアンズの選手は、地元企業のメディカルシステムネットワークやその関連会社に勤める。同社は福利厚生施設としてクロスフィットネスジムを持っていて、仕事と平日のトレーニングとの両立がしやすいと注目される。長野・岡谷工出身の宮澤は言う。

「楽しくラグビーができる環境を探していて。たまたまこちらに日体大の先輩がいた関係でお話をいただいて、という形です」

 この日は強みのスクラムで魅した。前半は22分に敵陣ゴール前での1本を押し込んでペナルティトライを奪い、6分、35分のスコアもスクラムを起点とした。8点リードで迎えた後半35分には、敵陣22メートル線付近右中間でスクラムにこだわる。相手の反則を誘い続け、勝利を手繰り寄せた。

 チームでは今季、正PR勢が入れ替わっていた。秋田県出身の左PRだった木村優太、千葉県から来ていた右PRの鈴木知彦は、それぞれ家業を継ぐため昨季限りで引退。入部前から2人の去就について聞いていたという宮澤は、「スクラムをイチから作り直す」と決意していた。

 昨年11月、元日本代表LOでアメフト経験もある木下剛がスポットコーチに着任。スクラム時の足の位置などにこだわって指導した。宮澤は新しいレギュラー候補として、その教えを吸収した。大学時代からの同級生で右PRの関拓矢と、体重102キロ同士のコンビを結成する。

「バーバリアンズは体重が重く、若い選手がいる。圧力にこだわって練習してきた。スポットコーチなどからスクラムの組み方を勉強し、こだわって作り込んできました。(決勝ではその成果が)出せたかなと思います」

 普段はメディカルシステムネットワークに紐づいた会社に通う。保険営業や複合機のメンテナンスに携わる。

 1933年創部の古豪で勝負をかけていた学生時代と、会社勤めをしながら競技のおもしろみを追求する現在のクラブ生活。その両者の違いを語る口調には、充実感がにじんだ。

「学生ラグビーは勝負にこだわる。クラブラグビーも勝負にこだわるのですが、よりエンジョイしてできることに魅力を感じています。年齢差に関係なく、いろんな人とコミュニケーションを取りながらやっています」

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