各国代表 2019.02.01

ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ【第1節 】 ラグマガ編集部ピックアップマッチ フランス vs. ウェールズ

ヨーロッパ最強を決する伝統のラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」の開幕が、いよいよ明日に迫った。今年9月から11月にかけて日本で開催されるラグビーワールドカップの前哨戦として、例年以上に重要な意味を持つ今回のシックス・ネーションズ。約7か月後にやってくる熱狂の日々をより一層楽しむために、各国の闘いぶりや注目選手のパフォーマンスをここでしっかりとチェックしておきたい。そこでラグマガ編集部では、 各節の直前に注目すべき試合をピックアップし、試合の見どころをお届けする。まず第1節からは、やはりオープニングマッチとなるフランスvs.ウェールズ(本カードはWOWOWにて無料放送)の注目ポイントを、深く、分かりやすくお伝えしよう。

ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ【第1節 】 ラグマガ編集部ピックアップマッチ フランス vs. ウェールズ
(Photo: Getty Images)

ウェールズの堅守をフランスがどう攻略?

 今年のオープニングマッチはフランスとウェールズ(@スタッド・ドゥ・フランス、日本時間2月2日土曜日5:00キックオフ)となった。ホームのフランスは現在ワールドラグビーの世界ランキング9位で、過去3年のシックス・ネーションズは2018年が4位、2017年が3位、2016年は5位。TOP14の強豪トゥールーズを4度ヨーロッパ王者に導いた知将、ギー・ノヴェスが2016年に満を持して代表ヘッドコーチに就任したものの、長く続く低迷期を脱することはできず、2017年秋にホームで日本代表と引き分けた試合が決定打となって、元イタリア代表ヘッドコーチのジャック・ブリュネルが2018年より任を引き継いだ。

 ブリュネル体制初年度の昨季のシックス・ネーションズは2勝3敗に終わったが、イングランドに22-16で勝利し、後にグランドスラムを達成するアイルランドには終了間際までリードを奪うなど(最終スコアは13-15)、敗れた試合はすべて6点差以内の紙一重のゲームだった。好不調の波が大きく、気持ちが乗らない時はさっぱりということも多いが、ひとたびチームの方向性が定まれば驚異的なパフォーマンスを発揮するのが、愛称「レ・ブルー」の特徴でもある。国内リーグのTOP14は世界でも屈指のレベルを誇るだけに、今大会やワールドカップで躍進を遂げても不思議はない。

 対するウェールズは昨秋の国際交流月間でスコットランド、オーストラリア、南アフリカに勝利し、昨年のシックス・ネーションズ第4節のイタリア戦から現在テストマッチ9連勝中と好調ぶりが目を引く。世界ランキングはニュージーランド、アイルランドに次ぐ3位。3勝2敗の2位という前回大会の成績を上回る可能性も十分だ。

 頻繁に指揮官が変わるフランスと対照的に、こちらはニュージーランド人のウォーレン・ガットランド ヘッドコーチが2007年から10年以上に渡ってチームを率いており、ゲームスタイルやカルチャーがしっかりと確立されているのが大きな強み。ワールドカップで2大会連続主将を務めたFLサム・ウォーバートンが29歳の若さで引退し、世界で有数のNo.8であるタウルペ・ファレタウもケガからの復帰途上でスコッドから外れるなどFW第3列は台所事情が苦しいが、卓越したリーダーシップを誇るLOアラン・ウィン・ジョーンズをはじめ、FLジャスティン・ティピュリック、CTBジョナサン・デーヴィス、WTBジョージ・ノースと要所にワールドクラスの選手を擁し、チームとして高い総合力を維持している。

前回大会は14-13の僅差でウェールズが勝利した(Photo: Getty Images)

 この開幕戦で大きなポイントとなりそうなのは、組織力と激しさを兼ね備えたウェールズのディフェンスを、いかにフランスが攻略するか、という点だ。鋭い出足でプレッシャーをかけ、かつ一人ひとりのタックルの精度も高いウェールズのディフェンスは、昨秋のテストシリーズでもオーストラリアをノートライ、スコットランドと南アフリカをそれぞれ1トライずつに押さえるなど、際立つ安定感を誇示した。フランスはかつて「フレンチ・フレア」と讃えられたひらめきとアイデアにあふれるアタックが失われて久しいが、SHモルガン・パラやCTBウェスレー・フォファナら経験ある実力者がケガから復帰してきたことはプラス材料。もうひとつの伝統的な持ち味である荒々しい推進力と多彩なオプションを組み合わせて、活路を見出したい。

フランス主将のHOギエム・ギラド。好不調の波が激しいチームをどうコントロールするか(Photo: Getty Images)
頂点を狙う“レッドドラゴン”の主将、LOアラン・ウィン・ジョーンズ(Photo: Getty Images)

 ともに2か月ぶりのテストマッチで、その間に国内リーグで調子を上げてきたプレーヤーも多いだけに、注目選手を絞るのは難しいが、一人ずつ挙げるとすればフランスはHOギエム・ギラド、ウェールズはLOアラン・ウィン・ジョーンズの両キャプテンか。いずれもスクラム、ラインアウトという試合の趨勢を左右するセットプレーの中心であり、精神面でもチームの軸となる存在。特に開幕戦は勝ちたいという強い気持ちから硬くなりがちなだけに、それぞれのリーダーがいかにチームを落ち着かせ、力を存分に引き出せるかが、勝敗を左右しそうだ。





◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

★「生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」

130年以上の歴史と伝統を誇る「シックス・ネーションズ」。ヨーロッパのラグビー強豪6カ国が参加して行なわれる大会の模様を全15試合生中継でお届けする!

【放送日】2/2(土)~3/16(土)※開幕戦無料放送

【第1節 】

フランスvsウェールズ 2/2(土)午前4:45~[WOWOWライブ]※無料放送

スコットランドvsイタリア 2/2(土)夜11:00~[WOWOWライブ]

アイルランドvsイングランド 2/2(土)深夜1:30~[WOWOWライブ]

【第2節 】

スコットランドvsアイルランド 2/9(土)夜11:00~[WOWOWライブ]

イタリアvsウェールズ 2/9(土)深夜1:30~[WOWOWライブ]

イングランドvsフランス 2/10(日)夜11:50~[WOWOWプライム]

■その他の放送予定は、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!

http://www.wowow.co.jp/sports/rugby/

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