サンウルブズのヘル ウヴェ、ワールドカップ日本代表入りへ自分と向き合う。
休みは最小限でいい。スタミナをつけ、戦術にフィットして、元気な状態で今年秋のワールドカップ日本大会に出たい。
ラグビー日本代表のヘル ウヴェは、1月中旬からスーパーラグビーのサンウルブズのプレシーズンキャンプへ参加中だ。
選手によっては12月中旬から1月いっぱいまで休暇が与えられるラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)にリストアップされながら、「そんなに長く休みたくはないと思っていました」。代表チームと同じ戦術でスーパーラグビーへ挑むサンウルブズのもとで、かねてからの課題を克服したいという。
話をしたのは1月28日、千葉・市原市内の練習場でのことだ。普段は流ちょうに日本語を操るが、この日は通訳の佐藤秀典さんを介し決然たる意志を表明する。危機感もあらわにする。
「フィットネス(持久力)、自分のラグビー(のレベル)を高めたい。また最近は怪我が多く連続して試合に出られないところがあった。継続して試合に出られるよう、怪我とどう付き合うか、いかに怪我をしないようにするかも意識しています。RWCTSに名前は載っていますが、本番を迎えるまで何がどうなるかわからない。(ワールドカップのメンバーは)パフォーマンスを見てコーチが決めると思うので」
身長193センチ、体重113キロのトンガ出身FWは、2010年に拓大の留学生として来日。日本国籍を取得した2016年は、国内所属先のヤマハで出番を増やし日本代表デビューを果たした。防御をこじ開ける突進力、相手が持つ球をむしり取る腕力を、国際舞台でも通用させた。もっとも近年は腕、手、ハムストリングと、度重なる故障にも泣いていた。入団3シーズン目となるサンウルブズで、さらなる進化を誓う。
ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチたちから告げられた今後の日程は、「6試合やってちょっと休みを挟んでからジャパンのほう(2月から始まるRWCTSキャンプ)へ合流すると聞いています」。昨季のスーパーラグビー開幕時は腕にボルトが入ったままだった。今季の序盤戦への出場意欲は高い。
「(サンウルブズでは)決勝トーナメントに進出することを目指す。新たな歴史を作ろうという共通認識を持っています。新しい選手がたくさん入ってきましたが、皆、経験豊富な素晴らしい選手です。戦い方を理解して、お互いのためにプレーするのが大事です」
昨年、28歳となり、「ストレッチ、食事改善…。自分のアスリートとしてのプロ意識も上げていくと思います」。新加入でハリケーンズ出身のマーク・アボット、サンウルブズ加入2季目でRWCTSに入るジェームス・ムーアらとLOの定位置を争う。