その他 2019.01.25
復活の物語。

復活の物語。

ブランドの求心力×ファンの思い。 YASUDAが16年の眠りから覚めるまで――。

[ 編集部 ]

この履きやすさを ラグビーでもふたたび

 その後、5月23日に「株式会社YASUDA」を設立。3か月後の8月に復刻版スパイクが完成し、10月末には支援者の手元にも届けられた。それからの周囲の反応は、想像をはるかに上回るほどだという。

「日本人特有の幅広甲高の足の形に合ったスパイクという昔の印象が、今も根強く残っていることを感じています。『YASUDAが倒産してから自分に合うスパイクがなかった』という声を数多く聞きましたし、実際自分で使ってもすごく履きやすい。サッカー選手や海外の方からも、ぜひ購入したいというご連絡をたくさんいただいています」

 12月9日に行われた記者会見では、新製品やリオ五輪でサッカー日本代表の監督を務めた手倉森誠氏のアンバサダー就任とともに、第98回全国高校ラグビー大会に協賛することも発表された。そこにも、YASUDAの思いが込められている。

「プロジェクトの発足以降、『ラグビーのYASUDAはどうした』というご意見をたくさんいただきました。我々としてもフットボール用品メーカーとしてラグビーグッズを手がけていくつもりですし、その糸口として、ラグビーにおけるYASUDAはプラクティスギアのイメージが強いという声が多かったことから、復活を幅広く知ってもらうには高校ラグビーがぴったりだろうということになりました」

 新しくブランドを立ち上げようとすればとてもかなわなかったことが、この1年で次々に実現した。佐藤氏も「あらためてYASUDAというブランドの持つ力を感じています」と語る。今後はスパイク以外のシューズやアパレルなど、幅広い商品を展開していくことも予定している。  ファンの力で、16年ぶりによみがえったYASUDA。多くのフットボーラーから今なお愛される老舗の「再動」に注目だ。

今回の全国高校大会では、花園ラグビー場で撮影され、
人気アーティストのスキマスイッチが楽曲を提供したオリジナルCMも放映された。
写真は大会時に設置されたYASUDAのブースで撮影されたもの。
スキマスイッチの大橋卓弥さん(左)、常田真太郎さん(右)と佐藤氏(中央)。
CMは下記HPでも見ることができる
https://yasudafootball.com/rugby/

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