国内 2018.12.29

ラグビーだけできる。熊本西CTB志水篤

[ 編集部 ]
ラグビーだけできる。熊本西CTB志水篤
何度も何度もタックルした志水篤。カバーディフェンスにも走った。(撮影/早浪章弘)

 ラグビーと出会ってよかった。
 ラグビーしかできない。
 熊本西高校のゲームリーダーを務めた志水篤(しみず・あつし)はそう言った。
 12月27日、花園ラグビー場。全国高校大会1回戦で札幌山の手高校に19-27と敗れた後だった。

「自分も、チームも、やれることはやったと思います」
 清々しい顔をしていた。
 留学生を軸に、パワーがある相手のダイナミックなパフォーマンスを止め切れなかった。
 12点を先行される展開を一度はひっくり返したものの、逆転された。
 最後まで抵抗を続けたが届かなかった。

 小学2年生の頃、友だちに誘われてグリーンベルトラグビースクールでラグビーを始めた(熊本県玉名市)。運動が苦手な少年が、自分でもできるスポーツに出会った。
「野球をやれば(バッティングで)球に当たりません。サッカーでは(蹴っても)飛びません。でも、なぜだかラグビーだけはできるんです」
 理由なし。
「最初から楽しかった。うまくできました。まあ、タックルだけですが」

 玉名中で恩師、仲山延男先生に力を伸ばしてもらった。
 お陰で強豪校に進学。門脇永記監督のもとで鍛えられる。
 ラグビーと出会ったからこそ踏めた全国の舞台だった。

 高校卒業後は大学に進学し、将来は教員になりたい。
「これまでお世話になった先生たちと同じように、指導者になって、ラグビーを教える側になれたらいいですね」
 志水は試合になるとボールを落とさない。
「ラグビーをやって、リーダーをやって、責任感がついたからだと思います」
 このスポーツは人を育てる。リーダーを生む。

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