国内
2018.12.28
鹿児島実業の主将は161センチのFL。ハードワーカー、治野賢至の責任感。
サッカー少年が楕円球と出会ったのは小学生の時だ。タグラグビーチーム「清水HANJIRO」でプレーしていた。6年生のころ担任の先生にラグビーを勧められ、鹿児島ジュニアラグビークラブに入った。中学まで同クラブに所属。鹿児島実に進学し、実力を蓄えた。
ただ、今回の花園に至るまでの道程は平坦な道ではなかった。高校1年の全国大会直前に膝を怪我。2年生時は肘を痛めた。
「悩んだ時期もありました。でも、その期間に多くの人たちに支えられ、いろんな言葉をもらいました。(富田昌浩)監督にも『考え方によっては自分にとってプラスにもなるぞ』と言われ、気づいたこともあります。自分が置かれた環境への感謝とか、ラグビーそのものへの思いも考えるようになって、成長できた面もあると思います」
そんな変化は、試合中の仲間への声かけや試合前後の振る舞いにも表われている。
故郷・鹿児島はNHK大河ドラマの影響で、「西郷どん」ブームに沸いている。花園に向けての壮行会でもその話題はよく出た。
「そういう空気があったので、チームの代表として『故郷の生んだ偉人たちに負けないように頑張ってきます』と挨拶すると、すごく盛り上がっていただけました」
薩摩隼人らしいキリッとした顔がほころんだ。
2回戦では長崎北陽台と戦う。6月の全九州大会では17-68と敗れた相手。防御が勝利への鍵となるのは明白だ。
キャプテンのタックルで、チームの意志を強く示したい。
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