国内 2018.12.23

ドコモがTL復帰、三菱重工相模原は12季ぶりの昇格! コーラと織機は降格

ドコモがTL復帰、三菱重工相模原は12季ぶりの昇格! コーラと織機は降格
トップリーグ再昇格を決めて喜ぶNTTドコモの選手、スタッフ(撮影:早浪章弘)
 ジャパンラグビートップリーグの入替戦が12月23日におこなわれ、今季、下部のトップチャレンジリーグで1位だったNTTドコモレッドハリケーンズと同2位の三菱重工相模原ダイナボアーズが勝ち、昇格を決めた。ドコモは今季トップリーグで最下位だったコカ・コーラレッドスパークスを33−24で倒し、三菱重工相模原は同15位の豊田自動織機シャトルズに31−7で快勝した。
 ドコモは1年でのトップリーグ復帰。三菱重工相模原は12シーズンぶりに日本最高峰リーグへ戻る。
 過去5シーズンはサバイバルマッチで耐えたコカ・コーラだが、連続6季目となった入替戦でついに敗れ、降格となってしまった。
 大阪・キンチョウスタジアムでおこなわれたNTTドコモとの大勝負。前半はコカ・コーラがリードした。WTB副島亀里ララボウ ラティアナラとSH三股久典がトライを挙げ、自陣で辛抱する時間帯も多かったが、17−7で折り返した。
 しかし後半、コカ・コーラに3枚のイエローカードが出て流れが変わった。
 50分(後半10分)に故意の反則で副島が10分間の退出を命じられると、数的有利となったドコモは直後、ゴール前のスクラムから連続で攻め、最後はLOキーパ・ミーウィットがインゴールに突っ込んだ。コンバージョンも決まり3点差。
 56分にはコカ・コーラがキックパスを使い、タッチライン際に放たれたボールをWTB石垣航平がジャンプし手で弾いて内側に残したが、拾ったのはドコモのCTB高野祥太で、サポートしたWTB茂野洸気からLOミーウィットへとボールは渡り、逆転トライが生まれた。この一連の流れで、茂野に対しハイタックルをしたNO8ジョセフ・トゥペにイエローカードが出され、コカ・コーラは13人になってしまう。
 流れを引き寄せたドコモは63分、前半にPR岡部瞬のトライを演出していたSOマーティー・バンクスが今度は自らゴールラインを割り、28−17とリードを拡大。
 コカ・コーラはこの試合、日本代表CTBでもあるキャプテンのラファエレ ティモシーを怪我で欠いていたのだが、ゲームキャプテンを務めた副将のFL桑水流裕策が64分に負傷で退いたのも痛かった。70分にNO8トゥペが執念でインゴールに突っ込み、コンバージョンを決まって4点差となったが、日野は73分、キャプテンの茂野が勝利を引き寄せるトライを獲得。
 追い込まれたコカ・コーラは76分、空中の競り合いで危険なプレーをした副島が2枚目のイエローカード、累積でレッドカード退場処分となり、反撃ムードはしぼんでノーサイドとなった。

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悔しさをかみしめるコカ・コーラの桑水流裕策(撮影:早浪章弘)
 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で入替戦に臨んだ三菱重工相模原は、最初から最後まで試合を支配した。
 キックオフからLOダニエル・リンディー、FLトーマス優デーリックデニイら縦に強いFWが連続して前に出る。ブレイクダウンも制して次々とターンオーバーを勝ち取った。
 豊田自動織機はスクラムこそイーブンだったが、マイボールのラインアウトも相手に読まれ確保できず。攻めても絡まれてボールを失うなど、攻撃の起点を全く作れなかった。今季トップリーグ得点王のSOサム・グリーンも開始3分、先制のPGをミス、その後は冷静さを欠いたプレーが目立ち、足を引っ張った。
 敗れた豊田自動織機のレオン・ホールデンHC(ヘッドコーチ)は、「やりたかったことが何もできなかった。ラグビーはコンタクトが全て、今日はそこで負けていた。なぜそうなったのか私もわからない」とショックを隠せない様子。
 一方、圧勝した三菱重工相模原のグレッグ・クーパーHCは、「この試合だけでなく、トップチャレンジリーグのセカンドステージからストラクチャーを重視してきた。今日はそのストラクチャーがうまくいった」と勝因を語った。
 そしてキャプテンのNO8土佐誠は、「昨年の入替戦で悔しい思いをして(コカ・コーラと引き分け)、そこを補うため1年間やったきた。(足りなかった部分は)ストラクチャーを信じること、スキルを信じること。長いシーズン、浮き沈みもあり良くないときもあったが、そこにフォーカスしてやってきた」と振り返り、昇格を喜んだ。

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三菱重工相模原が歓喜。23番の川上剛右と抱擁する土佐誠(撮影:井田新輔)

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ハードヒットする豊田自動織機のサム・グリーンだが流れは変わらなかった(撮影:井田新輔)

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