国内
2018.10.08
近鉄4連勝で首位に 2018トップチャレンジリーグ
来季(2019年シーズン)のトップリーグ昇格をかけるトップチャレンジリーグのファーストステージ第4節が、10月6日、7日におこなわれた。
開幕3連勝の近鉄ライナーズは地元、大阪・万博記念競技場で中国電力レッドレグリオンズと対戦し、9トライを挙げ55-0で圧勝。4連勝とし、総勝点20で首位に立った。
2位はNTTドコモレッドハリケーンズで、釜石シ―ウェイブスを52-27で下し4連勝、総勝点19で続く。
■圧勝も前半、空回りの近鉄
近鉄は試合開始7分で、ゴール前5メートルのスクラムを押し込みNO8イオプ・イオプアソがあっさり先制トライを奪う。大量点も予想されたが、次の得点は30分近くたった36分まで待つことに。その間、攻めるもハンドリングミスが続く。
一方の中国電力は、25分前後まで近鉄陣で戦ったが、こちらもミスで機会を逸する展開に。
36分、ハーフラインのラックから近鉄新加入のSOパトリック・ステイリンが持ち出し、右WTBセミシ・マシレワへ渡すと右中間インゴールに運んだ。マシレワは前半終了間際の42分にも、中国電力のパスをインターセプトし走り切り、2本目のトライを奪った(21-0で折り返し)。
近鉄は後半13分、ラインアウト起点でトライを奪う(撮影:見明亨徳)
前半の展開を近鉄の有水剛志ヘッドコーチは「空回り。前半はバラバラでボールを動かし続けることができなかった。15人が同じ方向を見る。規律(約束事を守る、反則をしない)を保てないといけない」と振り返った。
今季初先発のベテランSH金哲元も「だめでした。もっとSOとコミュニケーションを取り、僕がゲームをリードしていかないと」と反省する。
有水HCはハーフタイムで「自分たちの戦い方」と指示した。後半7分、13分に中国電力の反則により得たゴール前ラインアウトから、モールで連続トライし、33-0とする。18分にはマシレワがハットトリックトライを決めた(38-0)。さらに3人がトライラインを越え、55-0で終えた。
ボールを動かし崩してのトライを見せることができなかった近鉄。有水HCは「次の三菱戦(10月21日、vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ)が試金石になる。修正したい」。今季の目標はあくまでもトップチャレンジリーグ優勝し、トップリーグ下位チームとの入替戦(12月23日予定)に勝ち、1年での日本最高峰リーグ復帰だ。
公式戦デビューしたWTB朴ハンギョル。後半、ゲインを切る走り(撮影:見明亨徳)
この日、公式戦デビューを果たした近鉄の左WTB朴ハンギョルは、6月、練習生として出場したJR西日本レイラーズとの練習試合で6トライを奪い、「あの練習生は誰?」と話題を呼んでいた。「チームから指摘されている課題のディフェンスに集中した。徐々に成長していると思います」(朴)。後半は韓国セブンズ代表としても見せたボールキャリアーとしてのランを披露した。
トップチャレンジリーグ第4節は、三菱重工相模原が24-23でマツダブルーズーマーズを破り、総勝点14で3位。4位は新昇格の栗田工業ウォーターガッシュで、トップリーグ経験がある九州電力キューデンヴォルテクスを17-5で制し2勝目、総勝点9でつけている。1〜4位はトップリーグ入替戦への挑戦権を得るセカンドステージAグループに進める。4位の座を巡り、総勝点6の釜石、同5・マツダ、同4・九電の争いは佳境を迎える。
(文:見明亨徳)