NECが敵地で連敗脱出　サニックスは好機にミス多発で今季初勝利ならず

　トップリーグ開幕節で、初昇格の日野レッドドルフィンズに完敗した宗像サニックスブルース。北海道でおこなう予定だった第2節は地震の影響で中止となり、気持ちを新たに第3節（9月15日）のNECグリーンロケッツ戦に臨んだが、地元福岡のレベルファイブスタジアムで今季初勝利をあげることはできなかった。15−24。

「初戦は自分たちのやりたいことがまったくできずに負けていたので、今日は地元ということもあり、しっかり自分たちの足跡を残せるような戦いをしようと臨んだ」という藤井雄一郎監督。しかし、チャンスは作るもハンドリングエラー多発で得点につなげることができず、敵陣深くに入ってもラインアウトの失敗で好機を逃した。

　先に主導権を握ったのはNEC。前半7分、カウンターでWTB飯山竜太がゴールに持ち込み先制すると、36分と46分（後半6分）にはスコット・ヒギンボッサムが連続トライ。ヒギンボッサムの後半のファイブポイントはサニックスのラインアウト失敗から生まれたもので、ボールを手にしたSH中嶋大希がギャップを突いてゲインし、トライをアシストした。

　0−17とされたサニックスは、53分にFBアンドレ・テイラーが今季チーム初トライを挙げ、61分には、この日前半からアグレッシブだったWTB山田大生がフィニッシュ。68分にも敵陣深くに入り、SOジェイソン・エメリーからのキックパスをFL濱里祐介がインゴール右隅でキャッチして押さえ、9点差まで詰めた。

　しかし、前述のとおりチャンスでミスしたシーンも多く、逆転することはできなかった。

　キャプテンの杉浦敬宏は、「勝負どころのラインアウトやラック周辺のディフェンスが悪かった。修正して次につなげたい」と語った。

　一方、連敗脱出で今季初勝利のNECだが、57分にWTB後藤輝也の個人技でチーム4トライ目を奪ったものの、相手に3トライ差以上つけた場合に与えられるボーナスポイントを獲得できなかったのは悔やまれるところ。

 「後半はサニックスに危険なアタックをさせてしまった。突き放すことができていれば…」とピーター・ラッセル ヘッドコーチ。森田洋介キャプテンは「規律、ボールキープは改善しなければ」と反省する。

　次節は前王者サントリーサンゴリアスが相手で、森田は「テンポの速いラグビーに対してフィジカルで勝つ。相手に攻め疲れさせるというのは大きなポイントだと思うので、ディフェンスでまず崩れないように。そして、こっちがボールを奪ったら保持し続けないといけないので、今日の大きな課題となった継続の部分をもう一度修正してサントリーに挑みたい」と闘志を燃やす。

　指揮官は、「サントリーは昨日の敗戦（神戸製鋼に●20−36）で傷ついているところがあると思う。我々は強固なプランを持って積極的に戦っていきたい。怪我人も何人か戻ってくると思うので楽しみ」と語った。