海外 2018.05.08

記憶に残る試合を。胸が熱くなる80分を。山下真司さん、サンウルブズを激励。

記憶に残る試合を。胸が熱くなる80分を。山下真司さん、サンウルブズを激励。
カツカレーで勝利を。左から内田啓介、山下真司さん、田中史朗。(撮影/松本かおり)
 演じる部分と本音を巧みに織り交ぜた。
 さすがである。
 5月8日午後、俳優の山下真司さんがレッズ戦(同12日)への準備を進めるサンウルブズのもとを訪れた。
 午前の練習が終わった辰巳のグラウンド。かつての人気ドラマ『スクール☆ウォーズ』で主役を務めた山下さんは、そのモデルとなった伏見工業高校ラグビー部(現・京都工学院高校)出身の田中史朗、内田啓介を激励。レッズ戦当日、スタジアムで販売される「ビクトリーメンチカツ・カレー」(限定30食)を2人に届けた。
「私がサンウルブズの新監督になった滝沢賢治です」
 そう言って登場した山下さんは、田中、内田が続いて現われると、すぐにスイッチを入れた。
「今年のサンウルブズは5位以上が目標じゃないのか。それなのに9連敗。どうしてこんな結果になったんだ。お前ら悔しくないのか!」
 ドラマの名場面を再現すると、田中、内田も「悔しいです!」と返した。
 山下さんと田中は以前から親交がある。互いにリスペクトし合う仲だ。
「この体で大きな選手にタックルに行くんだから勇気があるよね。試合になると、まったく違う表情になる」
 山下さんがそう言えば、田中は「山下さんはとても優しい方で、カメラが回っていないときも、いろんな声をかけてくれるんです」と話した。
 内田も感激の表情だった。
「テレビで見ていた方と一緒にいるんですから。情熱的なカツを入れていただきました」
 山下さんのオーラを感じたのだろう。「すごい威圧感です」。
 この日は、2019年ワールドカップ開幕のちょうど500日前。それについての質問が出ると、田中は言った。
「(500日と)言葉で聞くと近づいてきたな、と思います。数字が減っていくのを見ると、緊張もします。でも、いまは目の前の(サンウルブズの)試合が大事。日本のファンが元気になる結果を出したい」
 レッズ戦に足を運ぶ山下さんも熱かった。
「初戦のブランビーズ戦は惜しかった。あの試合に勝っていたら、その後どうなっていたか分かりませんよね。スーパーラグビーはどこも強い。ちょっとした差で結果は変わると思います。ラグビーは人生そのもの。ボールに執着することが大事です。選手たちは諦めていないと思います」
 信は力なり。
 山下さんは最後にそう言った。
「卓球や体操もそうですが、世界の強豪に勝つ。日本ラグビーも勝てないことはないんだよ。私は、信じ、待ち、許します。2015年のワールドカップで南アフリカに勝ってラグビー熱が広まったように、次の大会でも頑張ってほしい。日本のラグビー、アジアのラグビーがかかっています。まずは今度のレッズ戦、熱い試合をお願いします。勝ち負けだけでなく、記憶に残る試合を。胸が熱くなる試合を!」
 ファン代表の声だった。

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