女子
2018.04.22
「日本大好き」NZ女子が北九州セブンズ連覇! ヘアタイも幸運もたらす
北九州で輝いたのは、今年も“ブラックファーンズ・セブンズ”だった。
「ワールドラグビー 女子セブンズシリーズ 2017-2018」の第3ラウンドが、4月21、22日にミクニワールドスタジアム北九州で開催され、女子7人制ニュージーランド代表が優勝した。ブラックファーンズ・セブンズの愛称で知られる黒衣の女子たちは昨年も北九州セブンズを制しており、大会連覇。シーズンランキングは首位・オーストラリアとの差を6ポイントに詰め、相性のいい土地で2季連続5回目の総合優勝に弾みをつけた。
北九州セブンズ連覇の要因を訊かれると、「私たちは日本が大好きだから」と言ってニッコリ笑ったサラ・ゴス主将。「食事も文化も好きだし、多くの人たちが私たちを歓迎してくれる。来年もここに戻ってくるのが待ち遠しいし、トーキョー2020(オリンピック)も楽しみにしています」
黒衣の5番をつける大将はハードワーカーだ。最高のライバルであるオーストラリアとの準決勝は12点を追う苦しい展開となったが、ハーフタイム前に21歳のゲイル・ブロートンの力走で点差を詰めると、5−12で迎えた後半早々、ゴス主将が敵陣深くのブレイクダウンでターンオーバーし、2トライ目が生まれた。流れを変えたニュージーランドは終盤にも自陣でのターンオーバーからボールをつないでタイラ・ネイサン=ウォンが逆転トライを決め、17−12で熱闘を制したのだった。
一週間前には4年に一度開催されるコモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)の決勝でオーストラリアとぶつかり、延長にもつれた死闘の末、ニュージーランドが金メダルを獲得していた。リベンジに燃えるライバルとの再戦はタフな戦いになると思っていたというゴス主将は、「選手たちみんながしっかりした態度、強いハートを示して戦った結果」と笑顔で準決勝を振り返った。
そして優勝をかけたファイナルは、ワールドシリーズで初めて決勝に進んだフランスと対戦し、24−12で勝利。
ニュージーランドは後半早々に反則でイエローカードを提示され、数的不利の時間帯にフランスにトライを奪われ12−12の同点に追いつかれた。しかし、後半4分30秒頃、ポーシャ・ウッドマンが自陣10メートルライン付近からスワーブで相手選手を振り切り、そのままゴールへ駆け抜け勝ち越した。終盤にはネイサン=ウォンが自陣から大きく蹴ったボールを自らチェイスに競り勝ってインゴールに押さえ、歓喜となった。
ワールドラグビー女子セブンズシリーズの歴代最多トライゲッターで、昨年のワールドラグビー年間最優秀女子選手賞にも輝いたウッドマンは、17歳のときに100メートルを12秒2で走ったというスピードと、強さが魅力だ。27歳になるいまも走りは衰えることなく、鍛え上げられたたくましい太ももがアスリートの進化を物語る。
今大会、ウッドマンにはラッキーアイテムがあった。長い髪を束ねる、明るい色のヘアタイだ。
「アミュプラザ小倉で買ったの」
お気に入りの地でひとときのショッピングを楽しみ、スタジアムで大きな声援と拍手を受け、勇敢でチャーミングなブラックファーンズ・セブンズは、北九州にまたステキな思い出ができた。
フレンドリーなサラ・ゴス主将(撮影:松本かおり)
ヘアタイを見せて、照れるポーシャ・ウッドマン(撮影:松本かおり)
NZは大人気。ファンと一緒に写真を撮るゲイル・ブロートン(撮影:松本かおり)