海外
2018.02.28
サンウルブズのオタゴマン。PRクレイグ・ミラーは「日本式に学ぶ」。
ハイランダーズでは途中出場が多かっただけに先発を狙う。
(撮影/松本かおり)
ニュージーランドは南島の南部、ダニーデンで生まれ、育った。
昨季までハイランダーズ。今季からサンウルブズに加わったクレイグ・ミラーは、186センチ、116キロのルースヘッドPRだ。
スーパーラグビーへのデビューは2014年。しかし、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(以下、HC)率いるハイランダーズが優勝した2015年はケガでプレーできなかったから、この舞台を駆けるのは今季が4シーズン目となる。
今季の初戦、ブランビーズ戦には、後半6分から稲垣啓太に代わって左PRの位置に入った。
前半を19-15とリードしながらも、最終スコアは25-32と逆転された80分。その戦いを「改善点が見えた」と振り返る。
「前半やれたことを後半もやり続けることが大事。相手にペナルティを与えたり、ミスによって、自分たちに不必要なプレッシャーをかけてしまった」
次戦へ向け、「チームの立てたプランをまっとうすることが大事。一人ひとりがそれぞれのやるべきことをやり切ればチームは良くなる」と話した。
ハイランダーズ時代から、ジョセフHC、トニー・ブラウン アシスタントコーチのコンビのもとでプレーしてきた。以前と現在。コーチ陣のやろうとしていることは「基本は一緒」と感じている。
「ただチームによって、得意、不得意な分野は違うもの。(ジョセフ、ブラウンの)ふたりも、伸ばす点、改善点を見極めて指導していると思います」
「他より短い準備期間の中で自分たちのカルチャーを築けている」と、チームの高まりも実感している。
同じPRの具智元が「優しくて親切。以前はニュージーランドの他のPRと同じように個で組むスタイルだったと思いますが、いまは日本式の組み方、一体感あるスタイルで組んでくれている」と言うように、自身の持ち味は保ちつつ、柔軟な姿勢を示している。
「日本のスクラムは低いですね。そして8人でまとまって組む。自分もそれに対応しようとやっています。仲間からいろいろ学んでいます。駆け引きとか、そういうものも参考になる」
日本人選手の勤勉さにも感心する。
「みんなハードワーカー。チームのために自分が犠牲になることもいとわない」
生粋のオタゴマン。生まれ育った街の外に出て暮らすのは今回が初めてだ。日本に来て「人々が優しくて、助けてくれる国」と思う。暮らしやすい。
ただ、ダニーデンでの街では練習グラウンドへの移動は5分とかからなかったのに、いまは都内で渋滞に巻き込まれたり、バス移動に時間をとられる。それにまだ慣れない。新しい環境に順応中だ。
スーパーラグビー経験者として、長いシーズンを戦うためのキーワードを「切り替え」と言った。
「試合でどんな結果が出ても、月曜日になったら、次の土曜日の試合のことだけを考える。それが大事」
穏やかなスクラメイジャーは、はやく背番号1を背負いたい。