ワールドカップ 2018.02.01

「ここでの初戦が先を占う」。NZ代表指揮官が横浜国際総合競技場を視察。

「ここでの初戦が先を占う」。NZ代表指揮官が横浜国際総合競技場を視察。
軽い言葉はひとつもなかったNZ代表のスティーブ・ハンセン監督。(撮影/松本かおり)
 3連覇への準備のひとつだ。
 ニュージーランド代表を率いるスティーブ・ハンセン監督が2月1日、決勝など、2019年ワールドカップの主要舞台となる横浜国際総合競技場(日産スタジアム)を視察した。
 2011年大会と2015年大会を制している王者にとっては、2019年大会の初戦、南アフリカ代表との試合会場でもある。同監督は、「私たちにとっても南アフリカにとっても、初戦が(大会の)その先を占う重要な戦いになる」と話し、この地でいいスタートを切ることが3連覇への条件のひとつであることを匂わせた。
 午前中にスタジアムを訪れ、ピッチやチェンジングルーム、周辺施設をチェック。また、トレーニング施設やホテルなども見て回った。
 スタジアムを見た感想を「大きなスタジアム。収容人員も多く素晴らしい」と口にした指揮官は、「訪れたあちこちの場所で、皆さんが良いホスピタリティーで迎えてくれた」と話す一方で、不透明な点についてはこう言った。
「(ホテルから練習場所、スタジアムへの)移動時間についてはどうかな、という部分もあるので、それぞれに近いホテルを考えるとか、今回の視察を踏まえて準備していきたい」
 4年に一度の祭典で頂点に立つために、細かなところにまで気を配っていく姿勢が見られた。
 2018年について「2019年にやりたいゲームに少しでも(チームを)近づけていく期間。怪我人も戻ってくるので、しっかりとセレクションをしたい」と話したハンセン監督は、この秋に来日し、オーストラリア代表(10月27日/日産スタジアム)、日本代表(11月3日/味の素スタジアム)と戦うことに関して、「重要な試合」と言った。
「そのあとには(ヨーロッパへ向かい)イングランド、アイルランドとも戦う。そこへ向けての大切な2試合になる。オーストラリアとの戦いには伝統があり、いつもボールがたくさん動く試合になる。ジャパンは、いい成長を続けているチームだ。コーチングスタッフも素晴らしく、彼らはとてもスマートでクレバーだと思っています」
 この2試合は、常勝を義務づけられているチームにとって欧州の強敵と戦う前の準備になるとともに、ワールドカップで自分たちが使う2つのスタジアムで実際にプレーするという点で、オールブラックスにとってアドバンテージとなる。
 3連覇に向けての意気込みを問われ、経験豊富な指揮官は、こう答えた。
「それ(3連覇)がどれだけ難しいか分かっているし、頑張らなければいけないこともたくさんある。それをやり切るには、周到なプランニングも必要だし、メンタルを正しい方向へ持っていくことも大切だと思っています。ただ、すぐれたチームもたくさんある。戦いの途中で怪我人が出ることも避けられないでしょう。そういったことも頭に入れつつ、たくさんのことを準備していくつもりです」
 2019年大会まで、残り600日弱。世界一のチームでも、時間は潤沢にあるとは考えていない。
 ワールドカップを勝ち抜くということは、それくらいの大仕事だ。

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