ワールドカップ
2017.12.05
ケニア代表を躍進させた南ア人指揮官が解任 2019W杯最終予選前に波紋
悲願のラグビーワールドカップ初出場へ向け、来年6月から始まるアフリカ最終予選を控えるケニア代表だが、同国ラグビー協会は12月4日、5年間指揮を執ってきた南アフリカ人のジェローム・パーウォーター ヘッドコーチが退任すると発表した。
ケニアラグビー協会は公式サイトで、パーウォーターのこれまでの貢献に対して感謝の言葉を述べ、退任の理由については明らかにしていないが、事実上の解任とみられている。
同国メディアの『デイリーネーション』によれば、国内最高峰大会であるケニアカップに属するいくつかのトップクラブの幹部が影響力を持っており、ケニア協会のすべてをコントロールしたい彼らは、地元出身の代表指揮官を望んでいるという。
南ア人のパーウォーターはストーマーズ(スーパーラグビーチーム)の母体であるウェスタン・プロヴィンス(WP)で15年以上の指導経験があり、昨年8月からはWPの21歳以下チームのコーチも兼任。
2013年からケニア代表を率いて、同年のアフリカカップ(南アフリカ代表を除く)で優勝に導き、当時36位だった世界ランキングを昨年8月には過去最高の22位まで引き上げたが、今年はライバルのナミビアに大敗し、11月に香港で開催されたカップ・オブ・ネーションズではチリ、ロシア、香港相手に3戦全敗を喫していた。
シンバズ(スワヒリ語でライオンを意味する)の愛称を持つラグビーケニア代表は、2015年ワールドカップ最終予選では、南アに次いでアフリカナンバー2のナミビアを倒し、マダガスカルにも勝って初のワールドカップ出場に王手をかけていたが、最終戦でジンバブエに敗れ、得失点差で涙をのんでいた。
2019年の日本行きをかけた今度のアフリカ最終予選(2018 アフリカ・ゴールドカップ)では、ケニア、ナミビア、ウガンダ、チュニジア、ジンバブエ、モロッコの6か国が競い、優勝チームが2019年のワールドカップ出場権を獲得、2位チームは敗者復活予選に進むこととなる。
ケニア代表の指揮官を解任されたジェローム・パーウォーター氏(Photo: Getty Images)