国内 2017.11.21

ホンダがトップチャレンジリーグで首位キープ CTB朴がキックで支える

ホンダがトップチャレンジリーグで首位キープ CTB朴がキックで支える
ゴールキックを決めるホンダの朴成基。今季6試合で計101得点(撮影:見明亨徳)
 2017年、トップリーグ昇格をかける新しいリーグ。地域リーグから8チームが参加した「トップチャレンジリーグ」もファーストステージ終盤を迎えている。
 セカンドステージAグループで競う4強にはすでに、1年で復帰を目指すHonda HEAT(ホンダヒート)、日野自動車レッドドルフィンズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、九州電力キューデンヴォルテクスが入った。
 11月19日、ここまで5戦全勝(勝点25)の首位ホンダは、3位の三菱重工相模原と対戦した。前半こそ三菱の抵抗を受けたが後半に差を広げ、50−27で6連勝(勝点30)とした。
 ホンダの躍進を支えているのが、今季からCTBの12番を背負う朴成基(パク・ソンギ/2015年入団。大阪朝鮮高〜帝京大)だ。
 朴は、この試合でトライ後のコンバージョン(G)6本とPG1本を決め、15得点を稼いだ。6試合すべて80分間フル出場し、101得点(49G 1PG)の結果を残している。
「今年はCTBを任されているので、その仕事を全うしたい」
 本職は高校時代からSO。昨季トップリーグではSOとして14試合に出場し、65得点で得点ランキング15位タイだった。今季はSOにスーパーラグビーのレベルズからジャック・デブレチェニが加入し、ポジション変更となった。
 「SOとは間合いが違うので、最初はできるかな、と。今はCTBからSOにこうして欲しいと要求できる。徐々にSO経験が役に立ってきた。ジャックも動きやすいところにボールを放ってくれる」と信頼関係ができている。
 社会人3年目になり、ラグビーに取り組む姿勢も変化を遂げているという。
「1年目、2年目は周囲に支えられていただけ。中堅にさしかかって日ごろから若手にも話すなど、次はチームを支えていこうと」
 トップチャレンジリーグ開幕戦と2戦目、キッカーはジャックが担っていた。朴は2試合ともジャックがトライ後のGからキッカーへ。3戦目からはキッカーを任された。その試合、中国電力戦は15トライ14Gで103−0。第4戦の中部電力戦は23トライ20Gと、2試合で実に34G、68得点を右ブーツでもたらした。
 「キックは普段、SOメンバーや個人で練習している。試合に出ることで確実性が出てくる」と素直に話す。王者・帝京大時代、1学年上の中村亮土(現 サントリーサンゴアス)、2年下・松田力也(現 パナソニックワイルドナイツ)に挟まれた。なかなか公式戦出場の機会が無かった。ホンダでも当初はベテランSO小西大輔の控えに回った。
 昨年、苦い経験も糧になった。「自分の選択、ささいなミスがチャンスをピンチにしたことがあった。勉強しました」。だからこそ先発で出場し躍動できる今が楽しい。
 もちろん今季はトップリーグ昇格が一番の目標だ。「(トップチャレンジリーグ)前半は大差がつく試合が多い。後半は実力が近い相手と。格上・格下相手にどういうマインドで臨むか。大学時代に学んだことも役立っている」。
 次戦は2位の日野自動車と全勝対決(11月25日)。そして12月10日からの4強によるセカンドステージで1位になればトップリーグ自動昇格となる(2位以下は入替戦へ)。
 「来年はトップリーグに戻り、大阪朝高同期たち(梁正秋・神戸製鋼SH、金勇輝・NTTドコモCTB)と同じステージで戦いたい」。自分自身とチームのステップアップにまい進する。
(文:見明亨徳)

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三菱重工相模原戦は後半にホンダの両WTBが2トライずつ奪い突き放した(撮影:見明亨徳)

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