海外
2017.09.27
延世大がライバル高麗大を下す 2017定期戦
韓国ラグビー界最大の試合、伝統校・延世大と高麗大の「2017年定期戦」が9月23日(土)ソウル市木洞競技場でおこなわれた。延世が前半3トライ19点を奪い、後半は高麗の反撃にあうも26−21で守り切り、最高の栄誉を手にした。
定期戦は1965年に開始以来46度目の対戦。延世は2015年以降3連勝、通算成績は延世24勝、高麗19勝、引き分け3となった。今季両校の対戦は延世が2勝、高麗1勝で終えた。
延世のコーチングが勝利につながった。前半9分、NO8メン・ミンヨンが先制トライを奪う。すると24分には高麗大陣の右ラインアウトをモールで押し込みHOカン・ウォンジェが2本目のトライを取り切った。さらに前半終了間際の40分、高麗が延世陣へ攻め込むも延世のプレッシャーにパスミス。これを拾った右WTB金ヨンファンが70メートルを走り切り19−0と差を広げた。
ブルーの延世応援団は勝利をもたらす(撮影:見明亨徳)
高麗応援団も声援を続けた(撮影:見明亨徳)
後半、先に取ったのは高麗だった。12分に右ラインアウトを得るとモールでお返しのトライを奪う。コンバージョン(G)もFLソン・ミンギが決め7−19とする。
しかし延世は20分、高麗ゴール前でPKを得るとLO金ジンファンがトライラインを越え(G成功)26−7と戻した。
高麗は失意喪失には至らなかった。今季、システムをワイドに振るものへ変えて練習を積んできた。26分、左ラインアウトからオープンサイドへ展開。見事にそのアタックが決まりSOハン・グミンが右中間インゴールへ運んだ。5点を加え、Gも決まる(14−26)。高麗は最後の10分に逆転をかけて攻め込む。ハンドリングミスなどもあったが40分をすぎたロスタイム、しっかりとボールをつなぐ。FLチェ・ムンヒョクが左隅にトライしたがノーサイド。延世が26−21で制し、2017年のライバル対決を終えた。
両校指導者の対決も見ものだった。延世BKコーチは2年目の李明根(イ・ミョングン)。SHとしてワールド、クボタでプレーし、チームや韓国代表を鼓舞してきた。高麗監督は今季、前監督の退任で急きょ就任した李光紋(イ・グァンムン)。FW第2、3列でサントリー、トヨタ自動車、東芝を渡り歩いた。
延世の李コーチは「高麗がワイドに振ってくることは分かっていた。分析通りの試合。自分たちはディフェンスで前に出ない我慢をすることを徹底した。チャンスが訪れるのを待った」と確信の勝利。
一方、高麗・李監督も「今年、変えたシステムを選手たちが見せてくれた。ボールを回す前に縦のランを入れていれば良かったが」と選手たちをねぎらった。
定期戦を延世は「延高戦(ヨンゴジョン)」、高麗は「高延戦(コヨンジョン)」とそれぞれ呼ぶ。日本の早明戦、明早戦と同じ。絶対に負けられない試合だ。ラグビーに野球、バスケットボール、アイスホッケー、サッカーの5競技で勝敗を争う。2017年は延世がすべて勝利の5勝で優勝した。全競技勝利の優勝は2014年の高麗以来、史上2度目の快挙だった。定期戦全体の成績は延世が19勝、高麗18勝、引き分け10とリードした。
(文:見明亨徳)
延世・李BKコーチ(中央)は選手を称える(撮影:見明亨徳)
高麗・李監督「変えたシステムは出せた」(撮影:見明亨徳)