国内
2017.09.10
新設のトップチャレンジリーグ開幕 九電は新人の山田有樹ら光り白星発進!
実力伯仲の熱戦が予想される、観る者にとっても楽しみな、新しいリーグがキックオフだ。
日本最高峰のトップリーグに次ぐ新リーグとして今年度より創設された「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ」が9月9日に開幕。関東、関西、九州の3地域ラグビー協会が主催する統一リーグであり、昨年度の成績をもとに、釜石シーウェイブスRFC、日野自動車レッドドルフィンズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、中部電力、Honda HEAT、中国電力レッドレグリオンズ、マツダブルーズーマーズ、九州電力キューデンヴォルテクスが参加する。
ファーストステージ(8チーム総当たり戦)とセカンドステージ(ファーストステージの上位グループと下位グループに分かれて総当たり戦)で競い、最終的に1位になったチームが来季トップリーグへ自動昇格となる。
5シーズンぶりのトップリーグ復帰を目指す九州電力はホームの九電香椎競技場に中部電力を迎え、47−17で白星発進となった。
加藤誠央、磯田泰成、齊藤剛希のバックスリーはキレと強さがあり、SH児玉大輔は難しい角度からも決めた安定感抜群のプレースキックだけでなく、勇敢でしぶといタックルも光り、同志社大の主将だったルーキーのNO8山田有樹は何度もダイナミックなボールキャリアーとなった。主将のCTB中?憲章と副将のFL高井迪郎を中心にまとまったチームは計7トライを獲得。しかし、チャンスを作りながら自分たちのミスでつぶしたシーンも多く、今後の課題となった。
新任の川嵜拓生監督は、「第一歩で、まず勝ったことが嬉しい。しかし快勝とは言えない。アタックのところをもう少し整備していかないと。今シーズン重点を置いているのは、プレーの細部へのこだわり。確実に点が取れるときにはスコアして帰れるように、チームとしてのスキルをしっかり上げていきたい」と開幕戦を振り返った。
監督から見てマン・オブ・ザ・マッチは誰かという質問には、「みんな頑張ってくれたんで1人を挙げるのは難しいが、しいて言うなら、ルーキーながら8番で80分間プレーした山田」と答えた。「要所要所で堅実なプレーというか、しっかりチームを締めるプレーをしてくれた。彼の魅力は、プレーが正確で確実性があるというところ。周りを引っ張るリーダーシップもある。練習中も試合中もしっかりコミュニケーションをとっているし、プレー以外のところでもチームに貢献してくれている」と話した。
吉上耕平FWコーチも山田のプレーの正確性を高く評価し、「走りも力強いし、ブレイクダウンでもいい働きをするんですよ」と、さらなる成長を楽しみにしている。
一方の中部電力は、敗れはしたものの、スクラムで優勢となったシーンがあり、大差をつけられてもファイティングスピリッツを最後まで見せ、2トライを奪い返した。しかしながら、九電と同じように敵陣深くに入りながらも連係ミスやハンドリングエラーがあり、悔いが残る第1戦となった。
「いい攻撃もあったが、あそこで取りきれないのがいまのウチの実力。相手の足が止まったときに決めきれなかった」と語ったのは、HOの山森裕之キャプテンだ。
しかし、新リーグでの戦いは希望に満ちている。
「もちろん例年とは違った気持ちがある。自分たちより力が下のチームはいないと思うので、一戦一戦、目の前のチームに全力でぶつかっていきたい。この新リーグで、すべてチャレンジとはいえ、絶対勝てる試合はあると思う。すべてが大事な勝負。自分たちは身体は小さいチームだが、最後まで足を止めず、グラウンドで一丸となってぶつかっていきたい」
九州電力は次節、再びホームで中国電力と対戦する。
川嵜監督は、「中国電力さんには昨シーズン、公式戦と練習試合を含めて負け越している。しっかりチャレンジしないと勝てる相手ではないと思うので、今日の試合をしっかり見直して、チャレンジャーとしての気持ちを一週間でつくってゲームに臨みたい」と気を引き締めた。
中部電力は東京・秩父宮ラグビーで日野自動車に挑戦だ。
山森キャプテンは「いままで秩父宮で試合をやることはあまりなかったので、あの舞台で戦えることを楽しみたい。あまり戦ったことのない相手なので、いい意味で、ゼロで向かっていけると思う」と前を向いた。
なお、9日はほかにもトップチャレンジリーグの2試合がおこなわれ、三重・三重交通G スポーツの杜 鈴鹿ではHondaがマツダに53−12で快勝。広島のコカ・コーラウエストラグビー場では日野自動車が中国電力を52−17で下している。
10日には岩手・釜石市球技場で釜石シーウェイブスと三菱重工相模原が対戦する。