国内 2017.06.11

関東大学春季大会 試合中に修正した明治が逆転で2勝目。新メンバーも躍動。

関東大学春季大会 試合中に修正した明治が逆転で2勝目。新メンバーも躍動。
途中出場も攻守に持ち味を出した明治大のFL佐藤諒(撮影:矢野寿明)
 6月11日、明治大学八幡山グラウンドで関東大学春季大会Aグループの明治大×大東文化大戦がおこなわれ、残り12分で17得点した明大が31−21で勝利、2勝目(2敗)を挙げた。大東大は1勝3敗となったが、新しいメンバーに収穫も多く、貴重な経験になった。
 序盤、得点は動かなかったが、この春評判の大東大スクラムが猛プッシュで連続ターンオーバーに成功する。それでも、激しいファーストタックルと2人目の集散で上回る明大はブレイクダウンで好ファイトして、ピンチの芽を摘む。すると前半17分、明大はSO松尾将太郎が相手防御の穴を素早く察知して大きく抜け出すと、大東大陣ゴール前でCTB鶴田馨にパスを出して先制する。その後は自陣ゴール前に攻め込まれて大東大のファカタヴァ兄弟を中心としたサイド攻撃に身体を張って止め続けた明大だが、32分、CTBアピサイ拓海に飛びこまれて同点に。さらに前半終了間際はNO8アマト・ファカタヴァのカウンターから素早くパスをつないだ大東大はFB中川和真がトライを奪い、14−7とリードして前半を終える。
「スクラムが計算できるのは大きいですね。それでも今日は簡単なミスが多すぎた。とり急いで、無理なオフロードで結果ノックオンになるなど、練習で解決していかないといけないプレーが出たので。FWが強さを出してくれるので、BKがいい球をどうするか。経験値の少ないメンバーが多いので、それは経験を積んでいくしかない」と大東大、青柳勝彦監督。明大のディフェンスも素早かったが、自らのミスも多く、これからの修正点になる。
 特に大東大は、4年間HB団を組んだSH小山大輝、SO川向瑛が卒業。スピードが魅力の1年生SH南昂伸、攻撃面で時折才能を見せるSO大矢雄太が固定されているだけに、春の経験をこれからに活かしたい。
「FWが前に出てくれるので、いろんなチャンスがあるので楽しみですが、まだまだ自分の判断や指示のミスもあるので、修正していきたいです」とSH南。
 後半8分、ショートパントをキャッチした明大ルーキーのFB山沢京平が好ランからトライを挙げて同点に追いつくも、大東大は20分に敵陣22メートル付近のスクラムでターンオーバーすると、SH南→SO大矢でトライ。21−14と再逆転に成功する。
 お互い選手交代も秋の本番並みで、最後まで勝負にこだわった試合は、終盤に明大が意地を見せる。後半28分には途中出場のHO大塚健太郎がゴール前ラックからサイドに飛びこみ同点にすると、31分のトライはターンオーバーから。FWが一気に前に出ると、FB山沢が好パスを外に出し、途中出場の1年生、WTB石川貴大が持ち味の倒れない走りで右隅にトライ。さらに36分にはすべてのゴールキックを決めているSO松尾がPGを追加して31−21。勝利を決定づけた。
 終盤、大東大NO8アマトが抜け出しゴールに迫るも、明大はWTB山?洋之が素早い戻りでトライを防ぐ。173センチと小柄な山?は攻守に奮闘して、激戦区のWTBで猛アピール。
「初めてスクラムを押されて、そこから崩れなかった。試合中に修正できたのはこれからにつながる。最後に勝ちきったのも意味がある。1年生が持ち味を出してくれましたが、まだまだ成長すべき点もあるので、これからいい競争になっていくでしょう」と明大、田中澄憲ヘッドコーチ。
 明大は防御での意識が高く、ターンオーバーからの攻撃にもコミュニケーションの声が素早く出て、好判断が生まれるシーンが多かった。昨年よりも一番成長している点であり、秋のシーズンで頼りになる手応えはあるはずだ。
(取材:福田達)

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