ワールドカップ
2017.05.11
「死のプールと言う人は出ていってください」。笑顔でエディー節炸裂。
中央がイングランドのエディー・ジョーンズ監督。左は豪州代表の
マイケル・チェイカ監督。右は南アフリカのアリスター・クッツェー監督。
(撮影/長岡洋幸)
終始にこやかだった。
「確かに難しいプールかもしれませんが(対戦相手が決まったので)準備をしていきます。私たちは(このプールで)勝ちます」
5月10日に京都でおこなわれた2019年ワールドカップのプール分け抽選会。イングランド率いるエディー・ジョーンズ監督は、フランス、アルゼンチン、アメリカ地区1位、オセアニア2位と同じC組に入った後の記者会見でリラックスしていた。
質問者の口から「死のプール」(強豪揃いの組)という言葉が出ると笑顔で返した。
「死のプールと言う人は、ここから出て行ってください。誰も死ぬ人はいませんよ」
記者会見場の場が和んだ。
前大会、ホスト国ながらベスト8に進めず、地元ファンをがっかりさせたイングランド。そのチームを2年連続でシックスネーションズ制覇に導くなど見事に復活させた名将は、「フランスは改善されています。アルゼンチンも上昇している」と、難敵に対して敬意を示した。
「我々はタフに準備していくだけです」
アルゼンチンとは6月10日、17日と敵地で戦い、11月にはホームに迎える。チームはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのNZツアーに中核選手が参加するため6月の布陣は若手中心となるだろうが、今年だけで3テストマッチを予定していることは2年後に向けてプラスになると語った。
2003年のワールドカップでは母国・豪州の監督として準優勝という好成績を残し、2007年大会では南アフリカのテクニカル・アドバイザーとして世界の頂点に立った。そして2015年大会では日本ラグビーを世界に発信。経験豊富な指揮官は記者会見で最後まで肩の力を抜いたままで、独特の言い回しを口にし続けた。
「私は日本でコーチをしていたから刺身も好きだし、いい店も知っている、天候も分かっている」と話し、「(ワールドカップがおこなわれる)9月はまだ蒸し暑いが、10月はグラウンドが固くなる。そういった条件にチームをどう対応させるか考えていきたい」とした。
抽選会前、日本代表の選手たちがイングランドとの対戦を望んでいたと知らされると、こう答えた。
「(プールが違ったのでお互いに)準々決勝以上に進出しないと対戦できないですね。たくさんの夢を持つことはいいことです」
大舞台での勝ち方は知っている。この先2年のうちに、コーチ陣や選手たちに日本を経験させるプランも持っている。