国内 2017.05.06

目黒×早実、東京×久我山が4強 2017年度東京都高校春季大会

目黒×早実、東京×久我山が4強 2017年度東京都高校春季大会
目黒PRハラシリ・シオネが豪快にトライへ(撮影:見明亨徳)
 東京都高校春季大会は5月5日、準々決勝4試合がおこなわれた。
 新人大会同点優勝の目黒学院、部員のインフルエンザで準決勝を棄権した早稲田実業、昨年度の「第96回全国高校大会」に出場した東京高(第1地区代表)、さらに第2地区代表決勝で明大中野と19−19で引き分け、抽選で出場を逃した國學院久我山が準決勝へ進んだ。準決勝は5月14日、日野自動車総合グラウンドでおこなわれる。
「目黒が10トライと圧倒」
 第1試合は目黒学院が今大会初登場(4回戦は玉川学園が棄権で不戦勝)。相手は新人大会で8強入りを逃し1回戦から勝ち進んできた東京朝鮮高。
 4人の外国出身選手(FW2人、BK2人)を先発させた目黒、試合開始から彼らが躍動して10トライを奪い、70−17で圧倒した。
 目黒のキックオフで始まり、このボールを確保するとCTBヴァカラヒ・シオエリが朝高ディフェンス陣の間を豪快にラインブレイク、先制トライを中央に奪った。コンバージョンはこの試合10本すべて成功した右WTBエドバー・マビンが簡単に決めた。
 朝高もすぐに反撃し、4分、目黒ゴール前の右ラインアウトから伝統のモールで押し込んで5点を返した。
 しかし12分、目黒はNO8タニエラ・ヴェア(1年)がシオエリにつなぎ前進し、トライにつなげた。さらにリスタートのボールをヴェラが自陣から走りポスト左へ飛び込んだ。朝高も22分に2本目のトライを返すが、目黒は2トライを追加し、35−12で折り返した。
 後半もキックオフから右サイドを攻撃し、WTBマビンが中央インゴールへボールを運んだ。目黒は後半も5トライを取り切り、退けた。
 目黒のFB高橋達也主将は「(新人大会19−19で両校優勝の)久我山にぶっちぎりで勝ち単独優勝したい。今はマイボールにするとトライまでもって行ける自信がある。彼らのラインブレイクと展開をうまくつなげていきたい」と話した。
 10トライの敗北に東京朝高、邵基学(ソ・キハク)監督は「目黒のセットプレーを防ぐことができなかった。留学生の突破は体を張って止めないといけない。そうやって先輩たちは戦ってきた。今年の選手、特にFWは高校からラグビーを始めた者ばかり。春季に1回戦から5試合を経験できたことが収穫。秋に向けてディフェンスなどを強化していく」と、2年ぶりの全国大会に視点を据えている。

2

早実CTB中西主将は2トライ(撮影:見明亨徳)
「早実が順調に4強入り」
 第2試合。早稲田実業は保善を40−7と、新人大会準々決勝とほぼ同じスコア(36−12)で下した。
 早実が前半2分に最初のアタックでトライを取り切ると、9分には右ラインアウトからじわじわと保善ゴール前まで迫り、FL小川瑞樹がファイブポインターとなった(ゴールキックはSO小泉怜史が成功で14−0)。さらに19分には主将のCTB中西亮太朗がゲインしトライを決めた。
 保善は22分に1トライを返すも、後半、早実が3トライを積み上げ40−7で準決勝へ進出した。新人大会準決勝で目黒と対戦予定も、試合前に部員のインフルエンザで棄権。ようやく帰ってきた形か。
 大谷寛ヘッドコーチは「今日はスクラム、ラインアウトの出来が悪かった。修正したい。目黒のアタックには後を考えず最初のタックルで倒さないといけない。後があると考えるとつながれていく」と気持ちの面でも選手を指導していく。
 中西主将も「目黒は、体がでかいが早実も体を張っていく」と答えた。

3

東京はモールから先制トライにつなげた(撮影:見明亨徳)
「東京が本郷との接戦を17−10で制す」
 第3試合は東京高と本郷高の古豪対戦。お互いに接点で譲らない攻防を見せた。 最初の得点は前半22分だった。東京が本郷ゴール前の左ラインアウトからモールでゴールラインまで進む。モールの後ろ、本郷からブラインドの位置から左WTB二股龍平がボールをもらい、左中間へ先制トライをした。
 後半に入っても東京が押す。8分、LO小池隆成が豪快に走り切りトライラインを越えた。4分後、本郷は東京ゴール前5メートルのスクラムからトライを取り切るも、東京が追加トライで振り切った。
 森秀胤監督は「1発勝負の試合、選手はプレシャーを感じていたね。思いっきりできるようになってほしいと新人大会から話しているけど」と選手たちの心を鍛えていく。

4

久我山WTB衣笠が前半5本目のトライ(撮影:見明亨徳)
「久我山は45−0と明大中野を一蹴」
 最後は昨年11月の「全国大会東京都第2地区代表」決勝の再戦。前回は19−19で引き分け明中が花園へ出場した。この試合、新人大会も目黒と19−19で両校優勝と単独Vが無い久我山が圧倒した。
 前半11分、スクラムからサインプレーで左WTB遠山拓があっさりとゴールラインを越えた。2分後にリスタートのキックをLO臼田湧人がもらうと明中ディフェンスの間を進み2つ目のトライを取り切った。さらに2トライを奪った後の23分にはラインアウトから展開し右WTB衣笠竜世が右隅へ飛び込んだ。前半で33−0とし、試合を決めた。
 後半は「前半の得点差に少し緩んだ」(土屋謙太郎監督)。明中に攻め込まれるも得点を与えず、30分にWTB遠山のトライで締めくくった。
 準決勝対策は「まだ何も決めていない。これから」(土屋監督)とまずは目の前の勝利を喜んだ。
(文:見明亨徳)

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