国内 2017.02.06

雪上で好プレー、珍プレー連発。津軽雪上ラグビー大会、今年も盛り上がった!

雪上で好プレー、珍プレー連発。津軽雪上ラグビー大会、今年も盛り上がった!
好天に恵まれ、試合を終えれば寒いのに汗だく。(撮影/松本かおり)
 それは敵にもなれば、味方にもなった。
 独走していたのに足をとられて転ぶ。そんなこともあれば、抜かれたと思ったら相手が勝手につまずいてくれたり、抱えたボールを滑らせてこぼしたり。
 すべて雪のせいだ。足もとの柔らかな雪、凍った雪、ボールについた雪が、北国のラグビーマンたちを熱くさせた。
 2月4日と5日、青森県弘前市で津軽雪上ラグビー大会が開催された。今年で51回目と歴史がある。高校生や一般の人たち、全16チームが雪の上を走り、笑い、いつもと違うラグビーを楽しんだ。
 元気な若者たちが多く出場する「スパイクの部」と、本気ではあるけれどエンジョイスピリットの強い「ながけりの部」に分けておこなわれた。後者はゴム長靴を履いてプレーするもの。走りにくかったり、キックしづらい要素が参加選手たちの能力を均等に近づけるから、クロスゲームが相次いだ。誰でも参加できるように、ヘッドキャップの着用も義務づけられていた。
 また、2019年ワールドカップのアンバサダーである大畑大介さん、松田努さん、釜石シーウェイブスの伊藤剛臣、松原裕司も会場に足を運び、子どもたち相手にラグビークリニックを実施したり、ともに雪上を駆けた。
 グラウンドは通常のラグビーより狭い。墨汁を薄めたものでラインを引く。7人ずつ、7分ハーフで実施される試合は不安定な足もとのせいでスピード感はないけれど、誰もが必死だった。
 高校の部を制したのは青森山田。スパイクの部の決勝は八戸学院大学のAチーム(BK中心編成)とBチーム(FW中心編成)の間で争われ、Aチームが勝利を手にした。
 喜びに湧くチームでキャプテンを務めた柴田桂弥は大間高校出身の2年生LO。部内マッチに「燃えました」と笑顔を見せた。
「(優勝は)素直に嬉しいですね。チームメートが頑張ってくれた」
 2015年度には全国大学選手権初出場を果たした同校。雪上でのタイトル奪取は、すでに新チームとして進めている体作りの成果の一部だ。
 大会のフィナーレを飾る「ながけりの部」決勝ではオールホワイトとスクラップスAが戦い、スコアレスのままフルタイムを迎えた。当初の予定では選手たちのじゃんけんで優勝を決める予定になっていたが、両軍から「両チーム優勝で」の声が出て、一緒に記念の優勝写真に収まった。
 大会を最後まで見つめたレジェンドたちもそこに加わった。へとへとだった選手たちが元気になった。夜の宴ではきっと、いくつもの珍プレーと少しの好プレーを肴に、杯が重ねられたことだろう。

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