国内
2016.11.13
福工大が苦しみながらも大学選手権出場決定 「ふんどし、しっかり締め直す」
第53回全国大学ラグビー選手権大会の九州代表決定戦が11月12日に福岡大学ラグビー場でおこなわれ、九州学生リーグ1部をトップ通過した福岡工業大が同3位から勝ち上がってきた福岡大を40−17で下し、6大会連続25回目の出場を決めた。
一週間前におこなわれた代表決定戦の第1ラウンドで、福大はリーグ2位の九州共立大に15−14で競り勝ち、その勢いを福工大戦にもぶつけた。
前半はナイスタックルを連発したチャレンジャーの福大が10−7とリードして折り返す。福工大はボール支配とエリア獲得で上回りながらも、ペナルティとハンドリングエラーが多く、勢いに乗れなかった。不安定なセットピースも自分たちを苦しめた。
ハーフタイム、福工大の宮浦成敏監督は「相手のキックに付き合うのはやめよう。アタック力はあるんだから、ボールを継続させていこう」と選手たちに指示した。落ち着いて自分たちのペースを取り戻した福工大は、後半だけで5トライを挙げ、奮闘したチャレンジャーを突き放したのだった。
敗れた福大の築城康拓ヘッドコーチは、「アタックもディフェンスも、ガマンするということをだいぶ覚えてきたが、後半、相手に立て続けにトライをとられてキレてしまった。福工大さんは王者らしく、戦い方はすごく落ち着いていた。フィジカルの強さも活かして、ゲーム運びはさすがだなと思った」と決勝を振り返った。
一方、勝った宮浦監督は「いい薬をもらった」とコメント。
過去3年間はファーストステージで姿を消し、そのうちの50回大会と51回大会は朝日大に敗れており、借りを返したいと思っている。1回戦から挑む今年度の大学選手権で、同じ地方大学との戦いを突破すれば、3回戦は目標としてきた秩父宮ラグビー場で試合をすることができる。
原田謙次キャプテンは「今日の試合で自分たちの悪いところは全部出た」と語った。ミスや反則を減らすこと、セットピースを安定させバックスにいいボールを出すこと、1対1のプレーの質を上げること…、改善できれば、自分たちは全国でも通用する力を持っていると信じている。代表決定戦後、円陣の中心でキャプテンは厳しい表情でこう言った。「ふんどしをしっかり締め直して、しっかりやっていこう!」
今年度の大学選手権は14チームが参加し、負けたら終わり、ノックアウトのトーナメント制でおこなわれる。九州代表の福工大は1回戦からの登場となり、11月27日に地元のレベルファイブスタジアムで開催されるオープニングゲームで、北海道・東北地区代表(13日に代表決定戦:東北学院大×北海道大の勝者)と対戦する。
宮浦監督を胴上げする福工大の部員たち(撮影:K.Takenaka)