国内
2016.11.07
國學院久我山が東京朝鮮高下し決勝へ! 全国高校ラグビー東京都第2地区予選
第96回全国高校ラグビー大会の東京都予選(第1地区・第2地区)準決勝4試合が11月6日に江戸川陸上競技場でおこなわれ、第2地区は昨年度の代表校である2チーム、東京朝鮮高と國學院久我山が激突した。
前半開始早々、久我山が東京朝高のミスでノーホイッスルトライを奪い5点をリード。東京朝高も、前半から久我山陣内に入りモールで攻めるプラン通りの攻撃を仕掛けるも、久我山が粘り強いディフェンスでゴールラインを割らせなかった。試合は久我山が15−0で勝ち、決勝進出。13日に花園行きをかけ、秩父宮ラグビー場で明大中野と対戦する。
東京朝高はキックで陣を取り、久我山陣へ入る。久我山が反則を犯したら22メートル内にタッチキックへ。そこから自慢のモールでトライを取り切るプランだった。
「前半から8割はプラン通りのアタック。でも取り切れなかった。久我山のうまさに阻まれた」と東京朝高、邵基学(ソ・キハク)監督は悔しがる。
前半開始直後の失点が響いた。4分、6分、11分、13分、20分と、前半20分までで実に5回のラインアウトを得た。PGを十分に狙える場所での反則からもラインアウトにこだわった。「最初に5点奪われたのでPGで点を刻んでいくことにためらった」(東京朝高関係者)という。
しかし、ラインアウトからのモールディフェンスで久我山が耐えた。モールに対し低く入り続けると東京朝高が倒れていく。その繰り返しで前へ進むことを許さなかった。
竹内伸光監督は「きょうはディフェンスの勝利。朝鮮高向けに特別のモール対策を練習したわけではない。ゴール前では、どこの学校もモールで来ますから」とふだんの準備が功を奏した。
久我山は守ると、前半28分に敵陣左ラインアウトから右へ回し、順目に展開。さらに左へ。最後はLO臼田湧人(2年)がファイブポインターとなり、10−0で折り返した。
後半も東京朝高が久我山ゴール前でもがくも、久我山が止め続けた。久我山は29分に自陣からつなぎきり5点を加え、ノーサイドになった。
準決勝までの2試合で、モールやゴール前スクラムから5トライを奪ってきた東京朝高のNO8李昇基(3年)は、「学習院、駒込の2試合でもモールでミスが多かった。1週間、練習してきたけど久我山が上。取り切れなかった。後輩たちには取り切ることをしっかりと身につけて欲しい」と涙を浮かべながら話した。自身は準々決勝で5トライを決めたあと、右足首をひねり交代。ケガを抱えながら準備してきた。卒業後は関東大学リーグ戦上位校へ進むという。
第2地区決勝の相手となる明大中野に対し竹内監督は「とにかくディフェンスから。きょうの最後のアタックも選手が継続できれば」と答えた。久我山は3大会連続、明大中野は第69回大会(1989年度)以来27大会ぶりの全国切符を狙う。
第1地区準決勝は、昨年決勝で久我山と同点だった(抽選で出場を逃した)東京高が都北園を79−5で一蹴した。もう1試合は、第19回(1937年)以来77大会ぶりの全国大会出場を目指す早実がFW・BK一体となり、明大中野八王子を46−0で退けた。
(文:見明亨徳)
東京都第2地区予選で3位に終わった東京朝高(撮影:見明亨徳)