国内 2016.10.30

明大中野八王子、早稲田実業、都北園が4強入り 高校大会東京都第1地区予選

明大中野八王子、早稲田実業、都北園が4強入り 高校大会東京都第1地区予選
都狛江(黒白ジャージー)は明大中野八王子に絡み続けた(撮影:見明亨徳)
 「第96回全国高校ラグビー大会」(東大阪市花園ラグビー場)の東京都第1地区・第2地区予選、準々決勝6試合が10月30日におこなわれた。
 第1地区では、明大中野八王子が前半から都狛江の激しいディフェンスに阻まれたが、後半9分から5連続トライを奪い42−14で逆転勝ちした。
 早稲田実業は桐朋から15トライを挙げて103−0で一蹴し、11月6日の準決勝で明大中野八王子と対戦する。
 都北園は保善と19−19の同点となり、抽選で初の4強入り。次は、すでに準決勝進出を決めていた東京高と当たる。
 第2地区は昨年度代表の東京朝鮮高が駒込学園を後半突き放し、24−5で勝ち上がった。昨年度第1地区代表の國學院久我山は11トライを成城学園から奪い、71−10で4強へ。次は東京朝高と対戦する。もう1つの準決勝は、きょう本郷を破った明大中野が目黒学院とぶつかることが決まった。
 第1、第2地区の準決勝は11月6日、江戸川区陸上競技場でおこなわれる。
『都狛江が番狂わせ目前も敗退』
 東京朝鮮高グラウンドであった明大中野八王子×都狛江戦。試合開始直後から狛江が前に出るディフェンスで明中八王子にからみ続けた。ブレイクダウンでも再三、押し込みノックオンを誘いターオーバーした。
 前半14分、明中八王子ゴール前で反則を得ると、ボールを持ち込みFL飯島遼太郎(2年)がインゴールへ持ち込んだ。FB岩田耕大(3年)のゴールも決まり7−0。明中八王子も10分後に狛江陣の中央スクラムから左へ回し、トライを奪いゴール成功で同点で前半を終えた。
 後半も勢いは狛江にあった。2分、明中八王子陣左ラインアウトからテンポよくボールを出し、左WTB高山皓平らがライン際を走り明中八王子ディフェンスを振り切ってトライラインを越えた。岩田も難しいゴールキックを蹴り込み、14−7と差をつけた。
 しかし、ここからフィジカルで上回る明中八王子のアタックが出る。
 9分、右スクラムからあっさり順目の展開でBKがトライし、同点。3分後には、CTB木村豪(2年)が狛江陣でのラックから出たボールを大切にインゴールへ運び逆転した。その後も明中八王子が3本トライを積み重ね、42−14で振り切った。
 善戦の狛江・坂本竜太監督は、前任の都三鷹を都予選8強まで育てて2014年に狛江へ赴任した。「3年間、子どもたちは成長しました。体は小さいが前に出て止め続ければ、勝つこともできると。きょうももう1本取れていれば勝てた」と話した。
 津田祐太主将は「ひたむきなラグビーを目標にチーム力で戦えた。後輩にはダブルタックルを練習して頑張ってほしい」と来年の成長を託した。
 明中八王子・山田慎監督は「焦りはなかった。波に乗れば自分たちのラグビーができると。後半は相手の動きが止まり、FW・BK一体のアタックができた。準決勝の早実戦は『明早戦』。早実は春から調子がいいが、ベーシックなスタイルで戦いたい」と意気込みを見せた。
 早実は桐朋から前半開始ノーホイッスルトライを奪うと、リスタートもノーホイッスルトライでたたみかけた。
 15トライを挙げ103−0の圧勝に早実・大谷寛ヘッドコーチは、「取り切るところで取れなかった。まだまだ足りない。崩しかけたところで仕留め切れないことがあった。そこを修正したい。何本かはいいトライがあったので、イメージを選手が共有できれば」と気を引き締めていた。
 都北園は気迫のこもったタックル、モールで保善と激しい戦いを繰り広げ、抽選で勝利し初の4強入り。「北園で花園へ!」の合言葉実現に向けて一歩進めた。

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狛江・津田主将(右から4人目)は後輩たちに来年を託した(撮影:見明亨徳)
『昨年度代表校同士が勝ち上がる』
 第2地区の東京朝鮮高は、前半から駒込学園が準備した低いタックルに苦しんだ。前半17分、ようやく駒込陣22メートル手前で左ラインアウトを得る。モールで押し込む。22メートル内へ入るとインゴール手前へキックパス。これをFB金裕平が受け、先制トライとなった。ゴールキックも決めて7−0。
 駒込も攻め、29分、ゴール手前で反則を得ると、NO8渡辺力太(3年)がインゴールへ運んだ。コンバージョンは決まらず5−7に。30分、東京朝高はPG失敗でいやな雰囲気で前半を終えた。
 しかし後半2分、ケガで2人をピッチ上で欠いていた駒込。センターライン付近でキックを受けた東京朝高NO8李昇基(3年)がそのまま独走しファイブポインターとなった。李は初戦の4トライ合わせ5トライ目となった(8分に右足首負傷で交代)。東京朝高はさらに14分、駒込陣へ上げたハイパントを駒込BKが自陣ゴール方向へ落とすと、それを左WTB梁潤学が拾い、飛び込んだ。そのあとも1トライ追加して24−5で勝ち、「花園で1勝」の挑戦権獲得まであと2戦となった。
 東京朝高の邵基学(ソ・キハク)監督は「タックルで差し込まれてしまった。きょうの戦いでは準決勝・久我山とは戦えない。キックの精度やレフリングへの対応など修正したい」。NO8李のかわりにピッチにたった白修烈(2年)はケガからようやく復帰し、ラインアウトから4トライ目を奪った。
 久我山は前半5トライを奪い29−10とした。後半も6トライを決め、71−10で成城を下した。竹内伸光監督は「きょうできたアタックを継続して朝鮮と戦いたい」と昨年度代表校同士の準決勝へ挑む。
(文:見明亨徳)

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東京朝鮮高の先制トライ(撮影:見明亨徳)

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